5月26日に田舎から来た高校時代の同級生(卒業後60年)4人を九十九里浜に案内しました。
1953年植樹祭の際天皇皇后陛下も宿泊された「サンライズ九十九里」に宿泊しました。
このリゾートホテルに「高村光太郎と智恵子」のブロンズ像があった。
高村光太郎と智恵子が過ごした九十九里には、最愛の妻への高村光太郎の思いが偲ばれます。
高村光太郎(1833~1956)智恵子(1938)は相思相愛の芸寿家夫婦であった。
九十九里浜で智恵子は千鳥を友として遊ぶ。千鳥さえずり「ちい、ちい、ちい」は智恵子に呼びかけだ。
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「千鳥と遊ぶ智恵子」 高村光太郎
人つ子ひとり居ない九十九里の砂浜の
砂にすわつて智恵子は遊ぶ。
無数の友だちが智恵子の名をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――
砂に小さな趾(あし)あとをつけて
千鳥が智恵子に寄つて来る。
口の中でいつでも何か言つてる智恵子が
両手をあげてよびかへす。
ちい、ちい、ちい――
両手の貝を千鳥がねだる。
智恵子はそれをぱらぱら投げる。
群れ立つ千鳥が智恵子をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――
人間商売さらりとやめて、
もう天然の向うへ行つてしまつた智恵子の
うしろ姿がぽつんと見える。
二丁も離れた防風林の夕日の中で
松の花粉をあびながら私はいつまでも立ち尽す。
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