「気迫の人横山大観 別冊太陽」を読む。
○ 明治・大正・昭和という激動の時代に、日本画の第1人者としての人気と知名度を誇った横山大観(1908~1958)(享年90歳)の生み出した数々の作品とその90年の生涯を我々に分かりやすく教えて呉れる名著だ。
○ 横山大観が師として仰いだ岡倉天心が東京美術学校を退官させられた時の心境を絵に表した「屈原」は鬼気迫る迫力で伝わってくる。
この作品は風格もあり、威厳もあり、孤独感も理解できる。
○ 有名作品として「生々流転」「紅葉」「夜桜」「霊峰飛鶴」「ある日の太平洋」「富士シリーズ」が挙げられる。
○ 全般を通して、その生涯と作品を丹念に解説した東京芸術大学の古田亮氏の文は精緻でかつ読みやすい。
○ 太平洋戦争時、国策に協力し、海に因む十題、山に因む十題を作り、「大観号」として国に軍用飛行機を献納した一連の行いに対して、戦後批判の声が上がりました。
ただ、そのような行為があっても、これだけ長い間膨大な作品を描き続けてきた日本画の巨匠への評価は揺らぐことはありません。
本書で横山大観の素晴らしさを実感した。
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