「幸せな子 トーマス・バーゲンソール(Thmas Buergenthal)」を読む。本の原名は「A Lucky Child」だからこの本の日本語名は「幸運な子」がふさわしいと愚考する。皆さまに推薦したい本です。
トーマス・バーゲンソール(Ⅰ934~)はチェッコスロバキアで生まれたユダヤ系の子供だ。6歳でナチスに逮捕されアウシュビッツのガス室で殺される筈だった。
放浪の果てアメリカに移住しハーバード大学院卒業、法学博士の資格を取った。今は「国際司法裁判所判事」だ。
ナチスのホロコーストから辛うじて生きた少年の悲惨な自叙伝だ。ヒトラーと言う独裁者がいた。ワイマール憲法を骨抜きにした。周辺諸国の危険を誇大に宣伝して狂気の世界戦争を行った。
子供が真っ先に「選抜」され殺された強制収容所で、アウシュビッツ死の行進で、10歳の少年がたった一人で生き延びた。最後まで諦めないことを教えてくれた両親の愛情といくつかの幸運。ホロコーストの場で問われる人間の勇気や倫理感。恨みや憎しみの感情を克服して、人権法の権威となった著者が、子供の目でつづった感動の実話です。
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