2015年4月10日金曜日

「幕末下級武士の絵日記 大岡俊昭」

「幕末下級武士の絵日記   大岡俊昭」を読む 。
私達がテレビ、映画で見る時代劇は実は「ちょんまげ現代劇」なんだ。
本当の時代劇ではこのような生活があった。
実に楽しい絵日記だ。この絵日記は 1861年(文久元年)に始まる。ペリー提督の黒船来航の3年後だ。
さして江戸に遠くない埼玉の武士「尾崎石城」もゆっくりした生活を楽しんでいた。
ペリー来航の時代にあっても埼玉の武士は実にのんびりしていた。仕事ものんびりした勤めだったようだ。
友人と酒を飲む、酒を調達する、友達と楽しい付き合いをする。
地域のひとのために一肌脱ぐ。
お寺の和尚と朝食を共にする。和尚と共に昼寝をする。
今のお寺に行くにはお相当の布施(現金)を持参しなければならない。私達年金生活者は躊躇する場所だな。

日本人は、この絵日記の武士の生きた封建社会の中で、
信じられないほど秩序ある平和を実現した。
天皇制の中で、デモクラシーを維持した。
資本主義の中で、
世界で最高に成功した社会主義とも称せられる
格差のない社会をつくり上げた。

換骨奪胎することと、融通無碍を旨とする事の
得意な民族だったのだろう。
しかるに今は…

そんなことを思い描きながら
幕末の下級武士の絵日記に浸るのもまた、
乙なものではある

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