「源氏物語の世界 日向一雅」を読む。
○ この本は岩波新書244ページの本であるが、奥の深い本であった。
読むのに時間を要した。源氏物語の入門書として良い本である。
○ 源氏物語は11世紀の始め、今から約1000年前に紫式部により書かれた。紫式部の本名は明らかでない。
○ 源氏物語は書かれた当時から傑作として高く評価され現在にまで読み継がれてきた。今では主要国の言語に翻訳され、世界中で読まれている。
○ 源氏物語は、はたして恋物語なのか、王権の物語、家の物語、諷喩の物語なのかもしれない、というような多義的かつ多面的な読み方をしてみせてくれているのが本書である。
何も変わった特殊な見方をしているのではなく、それはかえって当たり前の基本的な読みの姿勢であろうと思われる。読み解く大事な方法は、作品世界に同化して、作品の論理を追体験的に内在的に理解することである。この作品はそのような態度で臨まないと、理解し難い作品であるという。
○ 第1の謎。源氏物語の時代はいつか。著者は醍醐天皇の時代と推定する。
第2の謎。桐壷更衣の父の大納言の執念「娘を入内させる。」は成功するか。その執念は明石の姫君に引き継がれる。
光源氏と明石の女御の間に生れた姫が入内し皇子を生む事で成就する。
第3の謎。光源氏は天皇になるか。正式の天皇ではないが太政天皇となり成就する。
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