2014年9月26日金曜日

0926俳句


竜胆やホスピスの友健やかに
秋爽やホスピスの友健やかに
雁渡しホスピスの友健やかに
青北風やホスピスの友健やかに
蕎麦の花ホスピスの友健やかに
萩こぼれ小雨に曇る墓参かな
汀女忌や小雨に零る萩の花
まぼろしの父の手振りや風の盆
青北風やホスピスと言ふ小世界
雁渡しホスピスと言ふ小世界
鶏頭や寡婦なればこそ悲しまず
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サークル句会9月②投句
雁渡し ホスピスと呼ぶ小世界
象潟や九十九島早稲の風
鶏頭や寡婦なればこそ薄化粧
零れ萩小雨に煙る墓参り
まぼろしの父の手振りの風の盆
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白萩をこよなく愛し逝きにけり
奥飛騨に白萩乱る忠魂碑
牧場の外れの杭に赤蜻蛉
赤蜻蛉ホスピスからの遠電話
休刊日空はからつぽ秋桜
チンドン屋風に揺れいし秋桜
友呼ぶにミルキーウエイ秋桜
水脈長き大白鳥の離水かな
過去は捨て未来は知らぬ蛍草


蝗跳ぶ田舎芝居の時代劇
秋潮の洗ひて残る錆ナイフ
秋潮に運ばれ来たる椰子一つ

竜胆や山脈統べる槍ヶ岳
太筆に紺を豊かに濃竜胆
 白桃今が食べ頃良き香
秋風は心の揺れは何時までも
江戸川の水も豊かに曼珠沙華
戒律を破りし牧師曼珠沙華
喜寿過ぎて一蓮托生船施餓鬼
喜寿過ぎて何はともあれ彼岸花

撫子や伊良湖岬に豆灯台
撫子や未熟児やつと中学生
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千葉市民短詩型文芸作品「第7集」応募
命綱引けば磯笛乙女海女
長閑さや左右の靴の色違ひ
高遠に絵島の墓石花の冷
慕ひ来し一茶の仮寓秋桜
天神に飴細工来て梅開く
主なき墓も洗ひて盆供養
象潟の九十九島早稲の波
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王子にはチンチン電車や秋彼岸
岬には砂の彫像秋彼岸
無花果は宝石箱にあるべしや
芦ノ湖の霧の中から海賊船
青芒明日貰はれる子犬かな
花梨の実明日貰はれる小犬かな
青芒崩れかけたる砂の城
生涯に眺めるだけの蛍狩り
夕銀河友の異名は天の川
ひぐらしや駅前広場猿廻し
黄落や上野の山に猿廻し
黄落や駅前広場猿廻し
給りし手のぬくみあり衣被
寡婦にして子供三人衣被
雁の琵琶湖の空を一列に
雁の持ち来たりしか友の文
鰯雲来ぬ人待ちて小半日
ジェット機の幾つ泳いで鰯雲
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NHK俳句大会投句
十歳の乙女の一騎野馬追
表札は亡き夫のまま刀豆垣
昭和とは重き軍靴と汗滂沱
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むささびの枝を離れし夜半の秋
秋の夜や駅弁買ひて小海線
伏目なる悲母観世音秋桜
悲しいみの相田みつをや秋桜
八ケ岳暫し仰ぎて胡麻叩く
貰はるる子犬宥めて胡麻刈りぬ
身に沁むや疎開の子らの飢え細り
身に沁むや便り途絶へし友思ひ
白桃を切れば仄かに恋の噂かな
白桃や妹欲しと言ふ少女
 知床の大滝見つつ秋刀魚食ふ
赴任して潮騒聞きつ秋刀魚焼く

夜業後のそぞろ歩みや十三夜
白河の関を尋ねて十三夜


サークル句会9月①投句麦秋
邯鄲や吾にも震ふ胸のあり
白桃や仄か良縁ある噂
早池峰の鄙びし湯宿星月夜
表札は亡き夫のまま刀豆垣
山葡萄灯台までの荒小道
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1.秋の水双手で掬ふ梓川
2.絵模様の友禅流し水澄めり   特選   
3.爽やかや花子の帽子甲斐に舞ふ  秀句
4.疎開児や炊ける幸せ今年米
5.ゆっくりと白桃すすり五能線     北本
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お茶の水教会俳句会投句2014.09.09
山葡萄灯台までの荒小道
表札は亡き夫のまま刀豆垣
白桃や仄か良縁ある噂
邯鄲や吾にも震ふ胸にのあり
早池峰の鄙びし湯宿星月夜
初潮や連絡船のほの灯り
藪枯らし生家の地名地図に消ゆ
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汗滂沱涙滂沱の昭和かな
 汗滂沱昭和は一体何だらう
盆唄は相馬の里の嘆きかな
少年の飢えて蝗を齧りけり
邯鄲や吾にも震ふ胸にのあり
鈴虫をただ聴くのみの出湯かな
夜業した疲れし帰路は虫の闇
荒海の佐渡の友より今年米
生卵これぞ贅沢今年米
表札は亡き夫のまま刀豆垣     麦 秋
情熱の限り尽くして朱のカンナ
片思ひこそ麗しや黄色のカンナ
水澄むや浅間の嶺のに煙立つ
水澄むや笛吹川に錦鯉
初潮や連絡船のほの灯り
望の潮神島沖に連絡船
藪枯らし地盤沈下は収まらず
藪枯らし故郷の地名地図に消ゆ
八朔の出会ひありとて旅便り
八朔や石和の駅の大足湯
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」藤原敏行(古今和歌集)

峡宿の一夜せせらぎ水の秋
蔵屋敷出て舟着き場水の秋

十歳の乙女の一騎野馬負ひ
小学生乙女の一騎野馬追ひ
釣れぬ日に蓼を楽しむ是も良し
浜辺には蓼の茂みのシャワーかな
刀豆や垣根に掛けし海女の籠
 表札は亡き夫のまま刀豆垣
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サークル句会8月②投句麦秋
主無き墓も洗いひて盆供養  
茅葺の屋敷静謐蝉時雨 
夏痩せのの重き軍靴の父戻る
鯊哀れ上目使いに吾見たり   
無住寺に独り来たりて盆支度  
  
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 サークル句会8月②北本
1.朝顔や快速通過駅の柵
2.枝豆や同窓会国ことば
3.晩夏光花子とアンの甲斐訛
4.廃線の跡をたどりし草の露
5.待宵や鐘楼たたく若き僧          
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全て捨て旅に行きたし草の花
廃れけるした幸福駅に草の花
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御茶ノ水句会 鍛治登喜夫選20140822
3束の間の家族団欒庭花火
7過去はみな喜劇になりぬ茄子の花
11浴衣着て髪結ひ上げて十五歳
19母に付き見よう見まねの盆踊り
24旅に出る気持ち膨らむ鰯雲
37かなかなや羽黒に古び五重塔
70夏逝くや碇錆びゐし被爆船
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人も亦芋虫も亦神のもの
芋虫も必死に生きる哀れさよ
麦咲くや銀河鉄道走る宵
蕎麦の花朝日に開く八ケ岳
亡き友と静かに語る佳宵かな
三周忌過ぎやや悩ましき酔芙蓉

居酒屋でまず注文のだだちゃ豆
乾杯は田舎言葉でだだちゃ豆
かなかなや一瞬無人雷門
見詰められ三人に切る西瓜なる
ホテルまで雪崩込んだる盆踊り
山葡萄灯台までの荒小道
八十路山坂遙か虹の橋
オカリナ音色乱調大花野
捨て猫の摺り寄りきたる野分かな
敗戦を終戦と言ふ古老かな
夏痩せし疎開の童帰りけり
大汗の重き軍靴の父戻る
慎ましき老々介護蛍草

主無き墓も洗いひて盆供養   麦 秋今週の俳句
かなかなや一瞬無人雷門
見詰められ三人に切る西瓜なる
ホテルまで雪崩込んだる盆踊り
山葡萄灯台までの荒小道
邯鄲や源頼家墓の辺に
邯鄲や思へば修善寺物語
岬まで靄の小道に山葡萄
ほとほとと海に散りけり山葡萄
青瓢熟れるを待たず逝きにけり
病床の窓に眺める青瓢


青栗のふと転がりぬ墓参かな
かなかなのほろと鳴きける墓参かな
主無き墓も洗いひて盆供養
紅白の萩を供へて魂迎へ
待宵や大山路の道祖神
文を待つ遠方恋愛小望月
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slownet 今週の俳句8月10日
③ 鯊哀れ上目使いに吾見たり     麦 秋
③ 茅葺の屋敷静謐蝉時雨       麦 秋
③ 茅葺の屋敷静謐蝉時雨       麦 秋
③ 無住寺に独り来たりて盆支度    麦 秋
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サークル句会選
特選
04.石段の露を消しゆく熊野詣
秀句
35.コスモスの数だけありぬ風の色
65.花芙蓉夕陽の駅に僧ひとり
74.襖絵の山水涼し大書院
82.まとまらぬ話手酌の冷し酒
84.みどり児を主役に据ゑて夏座敷
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サークル句会   1御茶ノ水句会投句
46. 雪渓のざらめで溶かす粉ジュース
43.  白芙蓉その子五歳の初化粧(けはひ)
07.  一の橋更に五の橋雲の峰
69. 蜩や上野に異人辻楽師
77. 赴任して陸奥なる丘の星月夜
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北本
石段の露を消しゆく熊野詣
帰る背にどよめきの声揚花火
夏草や新特急の通過駅
花芙蓉夕陽の駅に僧ひとり
ふりむけば空いっぱいの大花火
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8月①投句サークル句会

一の橋更に五の橋雲の峰
雪渓のざらめで溶かす粉ジュース
白芙蓉その子五歳の初化粧(けはひ)
蜩や上野に異人辻楽師
赴任して陸奥なる丘の星月夜

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松島の舟の揺れさへ秋暑し
漣やヘルンの眼鏡秋暑し
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2014.8.8
一の橋更に五の橋雲の峰
雪渓のざらめで溶かす粉ジュース
白芙蓉その子五歳の初化粧(けはひ)

御茶ノ水句会投句
雪渓のざらめで溶かす粉ジュース
白芙蓉その子五歳の初化粧(けはひ)
一の橋更に五の橋雲の峰
蜩や上野に異人辻楽師
赴任して陸奥なる丘の星月夜
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かなかなや羽黒に古び五重塔
蜩や上野に異人辻楽師
亡き母の好きなる百合を盆用意
無住寺に独り来たりて盆支度
茅葺の屋敷静謐蝉時雨
萩の家を訪ひて声無き夕べかな
赴任して陸奥なる丘の星月夜
星月夜無線中継所に唯独り
鯊哀れ上目使いに吾見たり
誘ひける餌を無視せる鯊いたり
荒波や緋色の浜木綿咲く岬
浜木綿や灯台岬朝まだき
本州最南端灯台岬浜おもと
神輿練る温泉街や海紅豆
白芙蓉その子五歳の初化粧(けはい)
朝まだき目覚め眩しき酔芙蓉
投句まで暫しの思案秋扇
緊張の解けし一瞬秋扇
朝顔を隙き来る風のおもてなし
苦瓜の葉をカーテンに昼餉かな
田沢湖の漣響く秋桜
コスモスの乱れし辺には忠魂碑
黒川能見たりし余韻星月夜
鄙びこそ黒川の能星月夜
早池峰の鄙び湯宿星月夜
八ヶ岳麓の湯宿星月夜
ノクターン聴きたる余韻星月夜
セレナーデ聞きたる余韻星月夜
灼熱の焦土に供ふ千羽鶴
炎天の焦土に供ふ千羽鶴
雲の峰それなる彼方過去の家
鷹柱旋回望む遠眼鏡
白百合や妹欲しい一人つ子
合歓の花妹欲しい一人つ子
夕虹に一つの願ひ陶器笛吹く
井戸水で淹れし新茶の芳しさ

雪渓のざらめで溶かす粉ジュース
雪渓にあるかも知れぬ落し穴

天蓋花の太陽隠す大きさよ
病ひ人を日々慰める日輪草

新涼や佐渡に由緒の能舞台
新涼や古老さらりと黒川能
手花火に追はれ泣きべそ三歳児
江戸湾に零す五色の花火かな
水泳帽地球が丸く見える浜
パラソルや地球が見える浜
白波や帆を傾けしヨットかな
外湯よりせせらぎ聞くや明け易し
湯の宿にせせらぎ聞くや明け易し
利根川の源流響き明け易し
蜜蜂来胡瓜の花の笑みにけり
胡瓜揉み君の疲れを和らげる
一の橋更に五の橋雲の峰
雪渓がせり上がり来る小海線
雪渓に休めば燕一閃す
蛇衣脱げり古き背広を捨て去らう
戦争を知らぬ政治家終戦日
電話して暑中お見舞い見て下さい
灯を消してせせらぎを聞く湯宿かなく
草いきれ藤原三代夢の跡
神島と伊勢を覆ひし雲の峰
神島と伊勢を包みし雲の峰
伊良湖に小さな灯台雲の峰
野薊や伊良湖岬に万葉碑
利根川の白波望む夏座敷
大利根のさざ波望む夏座敷
大利根の白波望む夏座敷
麓には伊勢志摩ありぬ雲の峰
機関車の煙を溶かせり雲の峰
新緑や蒸気機関車ひた走り
被爆してせめささやか青葉風
被爆してせめて小さな青葉影
残雪の片辺に開く黄菅かな
ゴンドラの一揺りしたる若葉山
半世紀経しクラス会若葉風
利根川の源流涼し露天風呂
利根川のせせらぎ涼し檜風呂
利根川の源流涼し檜風呂
利根川の漣(さざなみ)涼し檜風呂
晶子歌碑拝し給はる冷素麺
若鮎の腸(わた)も甘しと讃へけり
枇杷啜る幸せさうな会話して
美はしき観光用の田植えかな
賜りて産地は聴かず桜ん坊
廃校の中学校の立葵
職退きて直ぐ認知症冷奴
目の前の娘にどなた冷奴
古代蓮開きし音を聞かざりし
市長来て恭しくも蓮まつり
尋ね来し一茶の仮寓江戸風鈴
失なひし親友一人玻璃風鈴
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サークル句会7月②投句
阿弖流為(あてるい)の深き洞窟滴てり
雲海を突抜けている槍穂高
贈りしは花付き胡瓜五本ほど
原爆忌人皆火蛾となりぬべし
妙齢の頬笑み交し藍浴衣
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お互いに俳句初心者冷や奴
お互いに俳句初心者冷し酒
片蔭にほんに小さな喫茶店
片蔭に寄れば親しき君と僕
聖(ひじり)とて悟り未だに滝修行
早朝に友に花付き胡瓜かな
贈りける花付き胡瓜五本ほど
雲海を突抜けている槍穂高
遺品には木綿くるみの蠅叩き
蠅を見て蠅叩き持ち呉れよ
比島より魂還らざる終戦日
聖(ひじり)とて悔捨てざりし滝修行
善人も悪を為すなり原爆忌
みちのくに語部ありて夾竹桃
峡深く高野の聖滝修行
亡き叔父の魂還らざる敗戦日
みちのくの癒えざる傷み梅雨寒し
四阿に涼を求めて詰め将棋
青葉木菟母を恋しと疎開の子
青葉木菟薄粥啜る疎開の子
金魚にも大河を泳ぐ望みあり
青葉木菟飢えて細りし疎開の子
阿弖流為(あてるい)の深き洞窟滴てり
みちのくの鄙の壁仏滴てり
杉箸をはきと割りてや心太
一日にシャワー五回や心太
藍暖簾肩で押してや心太
妙齢の頬笑み交し藍浴衣
高層のレストランにて掻き氷
駅弁と共に買ひけり心太
湯の宿の良く冷やしける心太
八ヶ岳ひらり開きて心太
令嬢はちよつと隠れて心太
心太これもご馳走八十近ひし
原爆忌人皆火蛾となりぬべし
水打つや幻に見る生駒山
水打ちて微かに聞こゆ胡弓かな
滝しぶき六根清浄唱へてや
昨日の新婚さんも滝拝む
明け易し埴輪の乙女笛響く
明け易し埴輪の丘に露座仏
明け易し足湯に浸り土の笛
海紅豆外湯に五尺湯揉み棒
荒寺に陰を求めて昼寝かな
国宝展見たりし庭の白芙蓉
雲海を突抜けている槍穂高
雲海は翼の真下渦巻けり
思ふれば大友の皇子青山椒
湯の宿にせせらぎ響く青山椒
医院去り炎熱の世に入りにけり
雲の峰ふと出逢ひたる山頭火
雲の峰其の先何かありさうな
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7月①サークル句会 投句 麦秋
負けぬ気のラジオ体操海紅豆
茉莉花や外湯に五尺湯揉棒
婿殿の回復如何が鰻飯 
もてなしは若鮎の膳伊豆の宿
嬰(やや)の名を呼べば微笑む合歓の花
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北本さん「投句
1.明易し旅の朝湯に句碑のあり
2.万緑や湖畔に出会ふ猿の群れ
3.芭蕉丸歌声響く夏最上
4.古き宿廊下の軋み百合の花
5.短夜や新聞開きむし眼鏡         北本 
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麦秋選
特選
04.明易し旅の朝湯に句碑のあり
秀句
30.渓流に架かる吊橋初蛍
49.蝶ヶ岳眺むる槍穂雲の峰
59.芭蕉丸歌声響く夏最上
61.花栗や丹後は雲の低き国
74.冷奴水百選でつくる味
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熟年のラジオ体操海紅豆
負けぬ気のラジオ体操海紅豆
早苗田の暮れや一束忘れ苗
短夜や掘割泳ぐ錦鯉
明易し蓮葉転がる水の玉
白南風に揉まれし川の錦鯉
火柱となりし我が友敗戦日
枇杷好き小鳥賑やか峡の寺
未熟児のやうやく五歳合歓の朝
身に合はぬ浴衣なれども藍絞り
身に合わぬ浴衣なれども紅絞り
バルテユスの浴衣姿も面白き
ささめ雨睫毛濡らしせし合歓の花
嬰の名を呼べば微笑む合歓の花
介護後のしばしの憩ひ桐の花
介護後のしばしの憩ひ百合の花
滴りを掬ひて憩ふ峠かな
滴りを掌に受け憩ふ峠かな
蓮池の何処や水の湧く響き

蓮開く何処や水の湧く響き
古代蓮何処や水の湧く響き
馬柵尽きあたりに増ゆる赤蜻蛉
サングラス心の傷み隠す為
職退きて威厳を保つサングラス
茉莉花や外湯に五尺湯揉棒
伊豆の宿若鮎飯をもてなせり
婿殿の快気祝ほぐ鰻膳
たぎつ瀬やかすかに聞こ時鳥
幾たびも留守番電話枇杷熟れる
バルテユスの乙女の如き桜ん坊
もてなしは若鮎うどん伊豆の宿 弥生会7月4日
川鹿笛信濃に江島蟄居の間
鈴虫や信濃に江島蟄居の間
川蜻蛉信濃に江島蟄居の間
糸蜻蛉信濃に江島蟄の間
絵手紙にはみ出す程の枝の枇杷
バルテユスの少女の如く枇杷未熟
絵手紙溢れるほどの枝の枇杷
身障の娘加へて枇杷狩りに
泳ぎ終へ頬に剃刀心地よし
心身を濡らせし旅や半夏生
伝説の心中の河原半夏生

婿殿の回復如何が鰻飯  弥生会7月4日
婿殿の健康如何走り梅雨
梅雨晴れの小半日にて美術館
赴任して星に囲まれ端居かな
赴任して電話なき夜の端居かな
山峡の無人踏切百合の花
山峡の無人踏切時鳥
山峡の無人踏切水芭蕉
山峡の無人踏切岩燕
山峡の無人踏切河鹿笛
山峡の無人踏切四十雀
山峡の無人踏切仏法僧
麦藁帽一つ残して嫁ぎけり
麦藁帽やはり忘れて嫁ぎけり  
山峡の無人踏切夕蛍
山峡の無人踏切糸蜻蛉
山峡の無人踏切青葉木菟
忘れたる頃に来るバス水芭蕉
忘れたる頃に来るバス青葉木菟
就職の採用通知唐菖蒲
和蘭あやめ時間遅れのバス来たる
古書店に迷ひ込んだる蚯蚓かな
古書店に迷ひ込んだる黒揚羽
図書室に迷ひ込んだる黒揚羽
図書室に迷ひ込んだる天道虫
若葉風五尺に余る湯揉棒
茉莉花や五尺に余る湯揉棒  弥生会7月4日
海紅豆五尺余る湯揉棒
花梯梧五尺に余る湯揉棒
仏桑花五尺に余る湯揉棒

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