「生きて帰ってきた男 小熊英二」を読む。
「希望だ。それがあれば、人間は生きていける。」
著者の父「小熊謙二さん」の 戦争、シベリア抑留体験の聞き語りだ。
ある日本兵の戦争と戦後を描いた。 ろくな兵器がなく、鉄兜かぶとすらかぶったことがない兵隊時代、寒さより「痛いと感じた」零下40度のシベリア抑留体験。そこでは着替えの下着はなく、水がないから顔も洗えない。
19歳で出征、23歳で帰国したが、職を転々、25歳で結核と診断され、30歳まで療養所にいた。シベリアもつらかったが、「帰国すれば」という希望があった。しかし療養所では、退院後の暮らしに展望がなく、「どん底」だった。その苦難を経て息子には「希望だ。それがあれば、人間は生きていける」と伝えた。
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