「どくとるマンボウ航海記 北杜夫」を再読する。
この本はおよそ55年前に読んで北杜夫さんの巧まざるユーモアを楽しみながら読んだ懐かし青春時代の本だ。北杜夫さんが水産庁の漁業調査船に船医として五か月間の航海をした。その航海生活や寄港したアジア、ヨーロッパ、アフリカの風景や文化をめぐり、卓抜したユーモアとユニークな文明批評を織りこんでつづった型やぶりの航海記だ。日本人の対西欧コンプレックスのない自由で気楽な旅行記だ。マンボウは北杜夫さんの心境の自画像であろう。
しかし、ふと真面目な話しもある。「我が国は海に囲まれた島国であるのに海に対する関心はおどろくほど希薄である。」
0 件のコメント:
コメントを投稿