2016年12月2日金曜日

もし経済効果が必要なら「カジノ解禁法」のような人間を堕落させる方法を使うべきでない。また国会討議も殆どなく数の力で押し切るのは民主主義の原則を無視したやり方だ。 ○ カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」が12月2日午後の衆院内閣委員会で自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決した。自民が採決を強行した。民進党は採決に抗議して棄権。共産党は反対した。公明党は党議拘束をかけず、議員個人の判断に委ねる「自主投票」で委員3人の賛否が分かれた。公明党も無責任極まりない。 ○ 議連は「経済効果が高い」と訴える。だがカジノの本質とは、人間の弱みにつけ込み、理性を失わせることにあると思う。そんな毒性に対する議論がまったく乏しい ○ 人間を堕落する例を揚げよう。 ▼カジノで106億円もの大金を失った井川意高(いかわもとたか)・大王製紙元会長を思い出す。安倍首相が視察した当のカジノに通い、バカラにのめりこんだ。自著「熔(と)ける」で賭博依存症特有の心理を赤裸々につづった▼「まだまだ。もっとだ。もっと勝てるに決まっている」。脳が叫ぶ。立て続けに勝つマジック・モーメント(魔法の時間)が金銭感覚を狂わせる。「負ける。さらに借りる。さらに大きく負ける」。子会社7社に資金を送らせて逮捕され、懲役4年の刑が確定した ▼「現世にポッカリ口を開けた無間(むげん)地獄」。井川氏はカジノの底に堕(お)ちた恐怖をそう表現した。人を簡単に狂わせる魔力が、すでに政府与党をむしばんでいるのだろうか。

もし経済効果が必要なら「カジノ解禁法」のような人間を堕落させる方法を使うべきでない。また国会討議も殆どなく数の力で押し切るのは民主主義の原則を無視したやり方だ。
○ カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を政府に促す議員立法「カジノ解禁法案」が12月2日午後の衆院内閣委員会で自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決した。自民が採決を強行した。民進党は採決に抗議して棄権。共産党は反対した。公明党は党議拘束をかけず、議員個人の判断に委ねる「自主投票」で委員3人の賛否が分かれた。公明党も無責任極まりない。
○ 議連は「経済効果が高い」と訴える。だがカジノの本質とは、人間の弱みにつけ込み、理性を失わせることにあると思う。そんな毒性に対する議論がまったく乏しい
○ 人間を堕落する例を揚げよう。
▼カジノで106億円もの大金を失った井川意高(いかわもとたか)・大王製紙元会長を思い出す。安倍首相が視察した当のカジノに通い、バカラにのめりこんだ。自著「熔(と)ける」で賭博依存症特有の心理を赤裸々につづった▼「まだまだ。もっとだ。もっと勝てるに決まっている」。脳が叫ぶ。立て続けに勝つマジック・モーメント(魔法の時間)が金銭感覚を狂わせる。「負ける。さらに借りる。さらに大きく負ける」。子会社7社に資金を送らせて逮捕され、懲役4年の刑が確定した
▼「現世にポッカリ口を開けた無間(むげん)地獄」。井川氏はカジノの底に堕(お)ちた恐怖をそう表現した。人を簡単に狂わせる魔力が、すでに政府与党をむしばんでいるのだろうか。

0 件のコメント: