2015年9月29日火曜日

「古典の細道 白州正子」を読む。

「古典の細道   白州正子」を読む。古典って面白いよ。
この本は白洲正子さんの独創的古典へのエッセイだ。
○悲劇の英雄「倭建命」の故郷を讃える絶唱「やまとは国のまほろば たたなずく 青垣 山こもれる 大和し うるはし」。倭建命は死後白鳥となり飛び去った。
○在原業平を主人公とされる「伊勢物語」は歌物語だ。面白いな。
「散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき   」
「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし   」
フィクションだが業平は二条帝の妃に恋して妃を盗み出す。落ち先で妃は鬼に食われてしまう。失恋多い業平は関東にまで傷心の旅をする。
○平家物語の「大原御幸」は建礼門院は哀れみの極みだ。白州正子さんは後白河法皇は建礼門院に秘かな恋心を持っていたのではないかとか解釈する。正子さん女性の鋭い感覚だな。
○白州正子さんはその他、小町、世阿弥、蝉丸、継体天皇、惟喬親王等、12人の縁りの地を訪ね歩き、正史に載らぬ姿を鮮やかに描き出す。

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