「昔ばなし 古川のり子」を読む。
「古事記」「日本書紀」の神話は「昔ばなし」に繋がるのだ。
「昔ばなし」は「あの世とこの世を結ぶ物語」だ。
古代の平均年齢は30歳位だった。「この世とあの世」が密着していた。
神話から昔ばなしへ時をこえて繰り返す物語に共通の世界観、私たちが絵本で親しんだ「昔ばなし」のもととなった各地の伝承から豊穣をもたらす自然、避けられない死へのおそれを浮かび上がらせることができるのだ。
○ 桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。
桃は生命力の象徴、犬は英雄を導く従者、猿は太陽を迎える獣、雉は出入り口を開く鳥を意味する。
○ 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。玉手箱から白煙が棚引き天(死の世界)に行くからである。
誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。
しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰にその足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。
「昔ばなし」は現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学である。
2016年11月14日月曜日
「昔ばなし 古川のり子」を読む。 「古事記」「日本書紀」の神話は「昔ばなし」に繋がるのだ。 「昔ばなし」は「あの世とこの世を結ぶ物語」だ。 古代の平均年齢は30歳位だった。「この世とあの世」が密着していた。 神話から昔ばなしへ時をこえて繰り返す物語に共通の世界観、私たちが絵本で親しんだ「昔ばなし」のもととなった各地の伝承から豊穣をもたらす自然、避けられない死へのおそれを浮かび上がらせることができるのだ。 ○ 桃太郎はなぜ桃から生まれ、犬と猿と雉を味方につけたのか。 桃は生命力の象徴、犬は英雄を導く従者、猿は太陽を迎える獣、雉は出入り口を開く鳥を意味する。 ○ 浦島太郎が玉手箱を開けて死ぬ定めにあるのはなぜか。玉手箱から白煙が棚引き天(死の世界)に行くからである。 誰もが知りながら、荒唐無稽で謎めいた昔ばなしの世界。 しかし多様な伝承の森に深く分け入り、古代神話や民間信仰にその足跡をたどるとき、死と再生、性と笑い、異界とこの世をめぐる共通の世界観が浮かび上がる。 「昔ばなし」は現代人が忘れてしまった豊かな意味を取り戻すための神話学である。
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