「司馬遼太郎という人 和田宏」を読む。
○ 司馬遼太郎氏専属の文藝春秋社所属の編集者が司馬遼太郎氏を語る。言わば司馬遼太郎を偲ぶ鎮魂歌である。
○ 司馬遼太郎氏の言葉「自分を面積も質量もない、点のような存在にしないと物が見えてこない」。
生前、司馬遼太郎氏は繰り返しこう語ったという。大変なユーモリストだったこと、権力風を吹かす人が大嫌いだったことなど、著者は担当編集者として30年、その間耳にした“日常のひと言”をたよりに、人間・司馬遼太郎に迫る。
○ 司馬遼太郎氏の作家の努力、自分を律する厳しい姿勢、他者に対する思いやりの深さと優しさ、知的ユーモア、本以外の物に対する欲のない純粋さ、人間の気品に関する透徹した考察とバランス感覚、驕りのないシャイな人であった。
○ 司馬遼太郎氏はベストセラー作家であるにもかかわらず雑誌への連載を遠慮する謙虚さ、誰もが考えないこと、いわないことを自分だけが知っていることがないようにとの強い義務感をもつ歴史作家としての旺盛な虚私的な態度での著作活動などの姿を、この本を通じて改めて感じることができた。
○ 封建時代と言うと国民に重い国家を想像する、しかし寧ろ明治になって国民国家を成立させてからの方が庶民は辛かった。農民、町人階級に重税を課し、彼らを戦場に送った。
2018年6月6日水曜日
「司馬遼太郎という人 和田宏」を読む。 ○ 司馬遼太郎氏専属の文藝春秋社所属の編集者が司馬遼太郎氏を語る。言わば司馬遼太郎を偲ぶ鎮魂歌である。 ○ 司馬遼太郎氏の言葉「自分を面積も質量もない、点のような存在にしないと物が見えてこない」。 生前、司馬遼太郎氏は繰り返しこう語ったという。大変なユーモリストだったこと、権力風を吹かす人が大嫌いだったことなど、著者は担当編集者として30年、その間耳にした“日常のひと言”をたよりに、人間・司馬遼太郎に迫る。 ○ 司馬遼太郎氏の作家の努力、自分を律する厳しい姿勢、他者に対する思いやりの深さと優しさ、知的ユーモア、本以外の物に対する欲のない純粋さ、人間の気品に関する透徹した考察とバランス感覚、驕りのないシャイな人であった。 ○ 司馬遼太郎氏はベストセラー作家であるにもかかわらず雑誌への連載を遠慮する謙虚さ、誰もが考えないこと、いわないことを自分だけが知っていることがないようにとの強い義務感をもつ歴史作家としての旺盛な虚私的な態度での著作活動などの姿を、この本を通じて改めて感じることができた。 ○ 封建時代と言うと国民に重い国家を想像する、しかし寧ろ明治になって国民国家を成立させてからの方が庶民は辛かった。農民、町人階級に重税を課し、彼らを戦場に送った。
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