2018年6月10日日曜日

「手紙のなかの日本人 半藤一利」そ読む。 ○ 世を騒がせた豪傑も、貞淑の誉れ高き女人も、手紙を読めば思いのほか、繊細で、あるいは大胆である。「文は人なり」なら「手紙もまた人なり」。思わず微笑を誘われる、飄々たる手紙、なりふり構わぬ恋の手紙、襟を正す覚悟の手紙、人生の折ふしに綴った書簡は歴史の彼方から私たちに語りかけてくる。もしこの世に手紙なかりせば歴史の人々と語り合う愉しみもまた、なかったにちがいない。 ○ 親鸞、日蓮、織田信長、明智光秀、秀吉とおね、細川ガラシャ、淀どの、大高源五、良寛、小林一茶、佐久間象山、吉田松陰、坂本龍馬、勝海舟と西郷隆盛、乃木静子、夏目漱石、永井荷風、山本五十六、小泉信三、香淳皇后の手紙が紹介される。 ○ 手紙は私信が主であるから、きどらない感情、いつわらない心情が吐露されるので、人柄が滲み出るものだ。 ○ 手紙という言葉は江戸時代からと言う。それまでは書翰、消息、玉章(たまずき)、玉信、書状、往来などの名称であったという。 目次にそれぞれの手紙から文章の引用がひとことある。これがいい。 ○ 明智光秀の残した文から見ると織田信長への反逆は計画的であったように思える。 ○ 淀どの(淀君)の悪評は徳川幕府の正統性を述べるため、江戸時代になって作られたものである。 ○ 坂本龍馬は「一人の力で天下動かすべきは、是また、天よりする事なり」 秀吉とおね「ゆるゆるだきやい候て、物がたり申すべく候」 などなど。 ○ 西郷隆盛は勝海舟を尊敬していたようである。西郷隆盛は手紙に「勝先生をひどく惚れ申し候う」書いている。また勝海舟は西郷隆盛の逆族の汚名を灌ぐため尽力している。 ○ 夏目漱石は弟子の芥川龍之介、久米正雄に優しい手紙を送っている。 ○ 乃木静子さんの人生は寂しい人生でなかったか、この本を読み密かに思う。 ○ 山本五十六は悲劇の提督であった。彼は日独伊三国同盟に大反対であった。太平洋戦争は、勝つとは思っていなかった。出来るだけ早期に講和に持ち込みたかった。

「手紙のなかの日本人 半藤一利」そ読む。
○ 世を騒がせた豪傑も、貞淑の誉れ高き女人も、手紙を読めば思いのほか、繊細で、あるいは大胆である。「文は人なり」なら「手紙もまた人なり」。思わず微笑を誘われる、飄々たる手紙、なりふり構わぬ恋の手紙、襟を正す覚悟の手紙、人生の折ふしに綴った書簡は歴史の彼方から私たちに語りかけてくる。もしこの世に手紙なかりせば歴史の人々と語り合う愉しみもまた、なかったにちがいない。
○ 親鸞、日蓮、織田信長、明智光秀、秀吉とおね、細川ガラシャ、淀どの、大高源五、良寛、小林一茶、佐久間象山、吉田松陰、坂本龍馬、勝海舟と西郷隆盛、乃木静子、夏目漱石、永井荷風、山本五十六、小泉信三、香淳皇后の手紙が紹介される。
○ 手紙は私信が主であるから、きどらない感情、いつわらない心情が吐露されるので、人柄が滲み出るものだ。
○ 手紙という言葉は江戸時代からと言う。それまでは書翰、消息、玉章(たまずき)、玉信、書状、往来などの名称であったという。
目次にそれぞれの手紙から文章の引用がひとことある。これがいい。
○ 明智光秀の残した文から見ると織田信長への反逆は計画的であったように思える。
○ 淀どの(淀君)の悪評は徳川幕府の正統性を述べるため、江戸時代になって作られたものである。
○ 坂本龍馬は「一人の力で天下動かすべきは、是また、天よりする事なり」
秀吉とおね「ゆるゆるだきやい候て、物がたり申すべく候」
などなど。
○ 西郷隆盛は勝海舟を尊敬していたようである。西郷隆盛は手紙に「勝先生をひどく惚れ申し候う」書いている。また勝海舟は西郷隆盛の逆族の汚名を灌ぐため尽力している。
○ 夏目漱石は弟子の芥川龍之介、久米正雄に優しい手紙を送っている。
○ 乃木静子さんの人生は寂しい人生でなかったか、この本を読み密かに思う。
○ 山本五十六は悲劇の提督であった。彼は日独伊三国同盟に大反対であった。太平洋戦争は、勝つとは思っていなかった。出来るだけ早期に講和に持ち込みたかった。

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