2014 10-12俳句 10.04
ゆく秋やふと街角に逝きし人
ゆく秋や雲は我より遠ざかり
蚕飼屋の窓を隠せし柿すだれ
柚子の香を微かに纏ふ赤子 かな
旅土産母に贈りし柚子の餅
幻の鈴木真砂女に柳散る
振り返る絣の袖に柳散る
山峡の足湯に浸り南瓜汁
絵硝子の風神走る野分かな
台風過少しの晴れの美術館
にじり口出れば山峡秋桜
にじり口出たれば揺れる秋桜
春草展出て竹橋の草紅葉
春草展出て竹橋の秋桜
鯊釣りの釣果を子等に与えけり
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お茶の水教会句会投句
焼き栗の爆ぜて悪童クラス会
遣唐使船出の憂ひ鳥渡る
西穂高望む対岸散るり紅葉
その家の賢弟愚兄郁子垂るる
鱒の寿司買ひて鈍行小海線
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町内に寡婦また増えて秋燈
瞬くは国見の丘の秋燈
遣唐使船出の憂ひ鳥渡る
吾も亦旅にぞ立たむ鳥渡る
路傍なる石に座りて秋深し
秋深き今日の悩み過去に置く
無住時に首落ち地蔵冷まじや
冷まじや葉書一枚戦死報
焼き栗の爆ぜて悪童クラス会 麦 秋
神島を仰ぐ岬に鷹柱
幻の鈴木真砂女や散り柳
振り返る絣の袖に柳散る
廃校の山の分校櫨紅葉
西穂高望む対岸草紅葉
茶室まで散らす紅葉の五枚かな
泉より双手で掬ふ破れ紅葉
末枯や紙燈籠の薄明かり 今週の俳句麦 秋
柿落つや本多忠勝居城跡
柿熟す祖母の故郷の明日香村
麦秋
茶室まで散らす紅葉の五枚かな
泉より双手で掬ふ破れ紅葉
熟柿落つ老老介護二十年
車椅子押してよろめく熟し柿
その家の賢弟愚兄郁子垂るる
敗戦に心を病みて郁子を食む
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1.秋空や最上に響く船頭唄
2.蘆の花浮き雲ふたつ谷津干潟
3.稲雀えさまく爺を囲みをり
4.白露のふわりふどけて草千里
5.紅葉谷赤く燃へ立つ八甲田 北本
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サークル句会10月①句会投句 麦秋
秋潮に運ばれ来たる椰子一つ
神島を仰ぐ岬に鷹柱
太筆に紺を豊かに濃竜胆
鱒の寿司買ひて鈍行小海線
焼き栗の爆ぜて悪童クラス会
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白桃今が食べ頃良き香
秋風は心の揺れは何時までも
江戸川の水も豊かに曼珠沙華
戒律を破りし牧師曼珠沙華
喜寿過ぎて一蓮托生船施餓鬼
喜寿過ぎて何はともあれ彼岸花
撫子や伊良湖岬に豆灯台
撫子や未熟児やつと中学生
戒律を破りし牧師曼珠沙華
喜寿過ぎて一蓮托生船施餓鬼
喜寿過ぎて何はともあれ彼岸花
撫子や伊良湖岬に豆灯台
撫子や未熟児やつと中学生
逝きし友いるかも知れぬ秋の空
爆撃機やはり遠くに秋の空
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10月2日お茶の水教会俳句会選句結果
1聖書読む集ひ始まり涼新た
4焼岳の一刷毛の雲秋めける
10 箱根路は霧の中へと吸い込まれ
18星月夜地球という名の観覧車
26海見ゆるホスピスの玻璃鳥渡る
34オズの国案山子の帰る家何処
60一行の雁の行方や手賀の沼
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どつさりと蜜柑稔れり露天風呂
銀芒揺るるにまかせ露天風呂
青芒ほぐれ窓より八ヶ岳
鈴虫や放射能汚染地域
鈴虫やここは津波の抉りし地
紅葉降る椅子に座りし少女像
蓑虫のふはり落ちたる石舞台
蓑虫のふはり揺れけるこけし村
海老天のかくも大きな走り蕎麦
海老天に覆われている走り蕎麦
青蜜柑未熟児やつと一年生
花蜜柑丘の湯宿に杖忘れ
みかん咲く丘の湯宿に杖忘れ
ヴァイオリン聞きたる疲れ銀芒
捨て猫の膝に乗りきし青芒
相模湾見下す湯宿青蜜柑
鱒の寿司買ひて鈍行高崎線
水澄むや湖に落ちしネックレス
上京し転居十回秋桜
コスモスや丘の母校の古びけり
柿の秋六十年一瞬同窓会
秋桜六十年うたかたクラス会
機関車の車輪を漏れる夜業の灯
原稿の校正急ぐ夜業かな
海峡の漁火遠き夜長かな
小窓より師の執筆の影夜長かな
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