2016年11月2日水曜日

「俳人杉田久女の世界 湯本明子」を読む。 大正から昭和にかけての女性の文芸活動の制約の中で、純粋に文芸にかけた孤高の天才俳人杉田久女(1890~1946年)の波瀾に富んだ生涯を描く。  ○ 芸術家は残した作品によってのみ冷厳に評価される。ならば杉田久女は最高の俳人である。 ○杉田久女の俳句 花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ 紫陽花に秋冷いたる信濃かな 朝顔や濁り初めたる市の空 谺して山ほととぎすほしいまゝ ○ 杉田久女は、鹿児島県出身の俳人。本名は杉田 久。高浜虚子に師事。長谷川かな女、竹下しづの女などとともに、近代俳句における最初期の女性俳人である。 ○久女は格調の高さと華やかさのある句で知られた。俳句に熱中するが故に家庭内の不和、俳句の師である高浜虚子を極めて敬愛する。しかし久女と距離を置きたい虚子との確執など、その人生は悲劇的であった。 久女の高浜虚子を慕う思い。「虚子留守の鎌倉に来て春惜む」 久女の夫宇内に対する思い。「足袋つぐやノラともならず教師妻」

「俳人杉田久女の世界 湯本明子」を読む。
大正から昭和にかけての女性の文芸活動の制約の中で、純粋に文芸にかけた孤高の天才俳人杉田久女(1890~1946年)の波瀾に富んだ生涯を描く。 
○ 芸術家は残した作品によってのみ冷厳に評価される。ならば杉田久女は最高の俳人である。
○杉田久女の俳句
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ
紫陽花に秋冷いたる信濃かな
朝顔や濁り初めたる市の空
谺して山ほととぎすほしいまゝ
○ 杉田久女は、鹿児島県出身の俳人。本名は杉田 久。高浜虚子に師事。長谷川かな女、竹下しづの女などとともに、近代俳句における最初期の女性俳人である。
○久女は格調の高さと華やかさのある句で知られた。俳句に熱中するが故に家庭内の不和、俳句の師である高浜虚子を極めて敬愛する。しかし久女と距離を置きたい虚子との確執など、その人生は悲劇的であった。
久女の高浜虚子を慕う思い。「虚子留守の鎌倉に来て春惜む」
久女の夫宇内に対する思い。「足袋つぐやノラともならず教師妻」

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