「らくらく読める古事記 島崎晋」
○ 古事記は、今の目から見れば神話以外の何物でもない。
しかし編纂当時の見方に立てば神話であり、また同時に歴史書であり、天皇の神格化であり、更に政治や道徳の鑑であった。
○ 天皇を中心とする中央集権国家体制を築くためには、それを正当化する神話、歴史が必要とされ、そのため天武天皇の時に編纂が開始された。完成したのは和銅5(712)年、元明天皇の時代である。
それを考えれば天武天皇に至って絶対君主として天皇の神格化が必要であった。つまりそれ以前は天皇は豪族と合議制政治を行っていたと推定される。
○ 古事記によると崇神天皇を「初国知らしし御真木天皇」と呼ばれる事がある。これは崇神天皇を事実上の初代天皇であるとしている事となる。しからば神武天皇から開化天皇までの天皇はフィクションであると暗に述べているのかも知れない。
○ 継体天皇は謎の多い天皇である。継体天皇は応神天皇の五世の子孫とされる。普通であれば皇室から遠い臣下の人である。後世、平将門が桓武天皇の五世の子孫として新皇と名乗ったが厳しい反発があった事を思うと継体天皇の即位は不思議である。また継体天皇の出身地が近江とも越の国とも言われ大和から遠いのも謎である。
継体天皇は古事記では没年齢は43歳だが、日本書紀に従うと82歳の長寿であった。その謎は未だ解明されていない。
2018年7月10日火曜日
「らくらく読める古事記 島崎晋」 ○ 古事記は、今の目から見れば神話以外の何物でもない。 しかし編纂当時の見方に立てば神話であり、また同時に歴史書であり、天皇の神格化であり、更に政治や道徳の鑑であった。 ○ 天皇を中心とする中央集権国家体制を築くためには、それを正当化する神話、歴史が必要とされ、そのため天武天皇の時に編纂が開始された。完成したのは和銅5(712)年、元明天皇の時代である。 それを考えれば天武天皇に至って絶対君主として天皇の神格化が必要であった。つまりそれ以前は天皇は豪族と合議制政治を行っていたと推定される。 ○ 古事記によると崇神天皇を「初国知らしし御真木天皇」と呼ばれる事がある。これは崇神天皇を事実上の初代天皇であるとしている事となる。しからば神武天皇から開化天皇までの天皇はフィクションであると暗に述べているのかも知れない。 ○ 継体天皇は謎の多い天皇である。継体天皇は応神天皇の五世の子孫とされる。普通であれば皇室から遠い臣下の人である。後世、平将門が桓武天皇の五世の子孫として新皇と名乗ったが厳しい反発があった事を思うと継体天皇の即位は不思議である。また継体天皇の出身地が近江とも越の国とも言われ大和から遠いのも謎である。 継体天皇は古事記では没年齢は43歳だが、日本書紀に従うと82歳の長寿であった。その謎は未だ解明されていない。
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