「帝国軍人の反戦 木村邇典」を読む。
○ 第一次世界大戦後、ヨーロッパの惨状を視察した水野広徳(最終階級は海軍大佐)は強硬な反戦論者となって軍職を去る。
○ 陸軍省新聞班長として脚光を浴びる桜井忠温(最終階級は陸軍少将)は文人と陸軍に協力し太平洋戦争の激動に翻弄されていく。
○ 水野広徳が海軍の異端児であったとすれば、桜井忠温は陸軍の優等生であった。
○ 桜井は日露戦争における旅順戦で瀕死の重症を受ける。桜井は旅順戦の従軍記「肉弾」を書く。また乃木希典大将の斡旋で明治天皇に拝謁する。桜井は“軍人文士”の数奇な生涯を送る。
○ この書は水野広徳、桜井忠温の対照的な生涯を描いている。偶然とはいえ、驚かされるのは、この二人が松山生まれで、しかも生家が近かったことである。
○ 水野は優れた海軍軍人であったがゆえ、第二次世界大戦における日本の敗戦やその時期までも的確に予測した。彼はやがて軍からはじきだされ、彼の書いたものの多くは発禁処分を受ける。昭和二十年、日本の敗戦を見とどけ、亡くなる。
○ 一方、筆のたつ桜井は言わば陸軍のスポークスマンとして随筆などを書きながら、陸軍省新聞班長になるが、戦後は公職追放されたのち、やがて解除され、最後は故郷の松山で長男夫婦とそれなりに幸せな生活を送り、昭和四十年に亡くなる。
現代人がこの二人の著作を読むことは殆どないであろう。しかし、二人の生き方に学ぶべきことはあるであろう。
2018年7月22日日曜日
「帝国軍人の反戦 木村邇典」を読む。 ○ 第一次世界大戦後、ヨーロッパの惨状を視察した水野広徳(最終階級は海軍大佐)は強硬な反戦論者となって軍職を去る。 ○ 陸軍省新聞班長として脚光を浴びる桜井忠温(最終階級は陸軍少将)は文人と陸軍に協力し太平洋戦争の激動に翻弄されていく。 ○ 水野広徳が海軍の異端児であったとすれば、桜井忠温は陸軍の優等生であった。 ○ 桜井は日露戦争における旅順戦で瀕死の重症を受ける。桜井は旅順戦の従軍記「肉弾」を書く。また乃木希典大将の斡旋で明治天皇に拝謁する。桜井は“軍人文士”の数奇な生涯を送る。 ○ この書は水野広徳、桜井忠温の対照的な生涯を描いている。偶然とはいえ、驚かされるのは、この二人が松山生まれで、しかも生家が近かったことである。 ○ 水野は優れた海軍軍人であったがゆえ、第二次世界大戦における日本の敗戦やその時期までも的確に予測した。彼はやがて軍からはじきだされ、彼の書いたものの多くは発禁処分を受ける。昭和二十年、日本の敗戦を見とどけ、亡くなる。 ○ 一方、筆のたつ桜井は言わば陸軍のスポークスマンとして随筆などを書きながら、陸軍省新聞班長になるが、戦後は公職追放されたのち、やがて解除され、最後は故郷の松山で長男夫婦とそれなりに幸せな生活を送り、昭和四十年に亡くなる。 現代人がこの二人の著作を読むことは殆どないであろう。しかし、二人の生き方に学ぶべきことはあるであろう。
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