2016年10月30日日曜日

10月30日NHK日曜美術館「華麗なる天平の至宝~第66回 正倉院展~」を見る。 ○ 奈良・正倉院。1250年前、シルクロードを経てもたらされた聖武天 皇遺愛の華麗な工芸品など9000件が保存されている。その一部を公開する「正倉院展」が奈良国立博物館で開かれる。天皇皇后両陛下の傘寿を記念し、今年は例年より長い20日間の会期が設けられた。 本年の正倉院展には、北倉10件、中倉29件、南倉22件、聖語蔵3件の、合わせて64件の宝物が出陳されます。そのうち初出陳は9件です。例年通り正倉院宝物の概要がわかるような構成ですが、本年も宮内庁正倉院事務所による最新の調査成果を反映した内容に特色がみられます。また正倉院正倉の整備事業の完了を受け、宝庫や宝物の来歴を伝えるような宝物も出陳されます。 ○  聖武天皇ゆかりの北倉からは、シルクロードの遺風を伝える名品として夙に有名な漆胡瓶(しっこへい)が、正倉院展では18年ぶりに出陳されます。また鳥木石夾纈屏風(とりきいしきょうけちのびょうぶ)は、聖武天皇のお側(そば)近くにあった屏風で、花鳥を愛でた当時の宮廷生活が垣間見られる宝物です。     また、本年は聖武天皇一周忌斎会(さいえ)で懸吊された大幡(だいばん)(灌頂幡(かんじょうばん))に関連する宝物がまとまって出陳されるのも注目されます。大幡は総長13~15メートルに及ぶと考えられる巨大な幡で、多数の幡が法会(ほうえ)の場を華やかに飾ったと考えられます。今回は幡の本体、脚、脚先の飾り、芯に使われた裂(きれ)が出陳され、その全容が想像されます。    ○ 本年は多種多様な金工品が出陳される。宝庫に伝わった奈良時代の銅銭、唐と日本の鏡、合金に用いられる金属のインゴットなどの鋳造(ちゅうぞう)に関係する品々、あるいは漆胡瓶と同じく平脱(へいだつ)技法が用いられた竽(う)、笙(しょう)、平脱鳳凰頭(へいだつのほうおうのかしら)などの装飾性豊かな器物類、そして目にも美しい様々な飾り金具など、金属と古代の日本人の関係を知る事ができる。  ○ このほか、素材の異なる3種の笏(しゃく)や、高度な技法で作られた象牙(ぞうげ)の櫛、近時の調査で染色材料が判明した愛らしい鳥形の飾りなど、天平の技と風俗にも注目される。

10月30日NHK日曜美術館「華麗なる天平の至宝~第66回 正倉院展~」を見る。
○ 奈良・正倉院。1250年前、シルクロードを経てもたらされた聖武天
皇遺愛の華麗な工芸品など9000件が保存されている。その一部を公開する「正倉院展」が奈良国立博物館で開かれる。天皇皇后両陛下の傘寿を記念し、今年は例年より長い20日間の会期が設けられた。
本年の正倉院展には、北倉10件、中倉29件、南倉22件、聖語蔵3件の、合わせて64件の宝物が出陳されます。そのうち初出陳は9件です。例年通り正倉院宝物の概要がわかるような構成ですが、本年も宮内庁正倉院事務所による最新の調査成果を反映した内容に特色がみられます。また正倉院正倉の整備事業の完了を受け、宝庫や宝物の来歴を伝えるような宝物も出陳されます。 ○  聖武天皇ゆかりの北倉からは、シルクロードの遺風を伝える名品として夙に有名な漆胡瓶(しっこへい)が、正倉院展では18年ぶりに出陳されます。また鳥木石夾纈屏風(とりきいしきょうけちのびょうぶ)は、聖武天皇のお側(そば)近くにあった屏風で、花鳥を愛でた当時の宮廷生活が垣間見られる宝物です。   
 また、本年は聖武天皇一周忌斎会(さいえ)で懸吊された大幡(だいばん)(灌頂幡(かんじょうばん))に関連する宝物がまとまって出陳されるのも注目されます。大幡は総長13~15メートルに及ぶと考えられる巨大な幡で、多数の幡が法会(ほうえ)の場を華やかに飾ったと考えられます。今回は幡の本体、脚、脚先の飾り、芯に使われた裂(きれ)が出陳され、その全容が想像されます。   
○ 本年は多種多様な金工品が出陳される。宝庫に伝わった奈良時代の銅銭、唐と日本の鏡、合金に用いられる金属のインゴットなどの鋳造(ちゅうぞう)に関係する品々、あるいは漆胡瓶と同じく平脱(へいだつ)技法が用いられた竽(う)、笙(しょう)、平脱鳳凰頭(へいだつのほうおうのかしら)などの装飾性豊かな器物類、そして目にも美しい様々な飾り金具など、金属と古代の日本人の関係を知る事ができる。
 ○ このほか、素材の異なる3種の笏(しゃく)や、高度な技法で作られた象牙(ぞうげ)の櫛、近時の調査で染色材料が判明した愛らしい鳥形の飾りなど、天平の技と風俗にも注目される。

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