近世初期の風俗画の傑作とされ、彦根藩主井伊家に伝わった国宝「彦根屛風(びょうぶ)」の購入者が、彦根井伊家12代当主直亮(なおあき、1794~1850)だったことが分かった。彦根城博物館(彦根市)が20日、発表した。購入の際、当時の大金の代名詞だった「金千両」(2千万~3千万円相当)と持ちかけられていたという。
直亮は19歳で藩主となり、幕府大老も務めた。幕末に開国に踏み切った大老の井伊直弼は21歳下の弟で、後に養子とした。
彦根屛風は、直亮か直弼の代に井伊家が入手したと考えられてきた。雅楽器などの多彩な収集家だった直亮は、寸法や入手先、金額などについて詳細な記録「屛風之覚(びょうぶのおぼえ)」を残している。
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