2018年9月11日火曜日

「万葉時代の日本人 中西進」を読む。 ○ 万葉集の大家である著者が一般読者のために、日本人の心の原点ともいうべき古典の世界を語った書である。日本の不滅の古典・万葉集を学ぶ第一歩の書である。 ○ 万葉集を読むと日本書紀、古事記に書かれていない、日本史を知るこができる。 ○ 古今集、新古今集は勅撰和歌集で主に宮廷貴族の和歌を集めている。これに反し万葉集は、天皇から東国の農民の和歌まで収録して、言うならば国民的アンソロジーと言える。 ○ 万葉集は勅撰集でない。和歌の形体も、長歌、短歌、旋頭歌、仏足石歌があり連歌まである。万葉集では作家不明の歌も多い。これは作家の名前で選んだのでなく、歌の有効性のよって選んだからであろう。 ○ 万葉集の混沌こそが万葉集の力であり魅力である。その意味で万葉集は文化であり、歴史である。 ○ 例歌 「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事 大伴家持  20~4516」 「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな 額田王  1~18」 「旅人の宿りせむ野に霜降らばわが子羽ぐくめ天の鶴群 作者不明 9~1791」 「もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花 大伴家持 19~4143」

「万葉時代の日本人 中西進」を読む。
○ 万葉集の大家である著者が一般読者のために、日本人の心の原点ともいうべき古典の世界を語った書である。日本の不滅の古典・万葉集を学ぶ第一歩の書である。
○ 万葉集を読むと日本書紀、古事記に書かれていない、日本史を知るこができる。
○ 古今集、新古今集は勅撰和歌集で主に宮廷貴族の和歌を集めている。これに反し万葉集は、天皇から東国の農民の和歌まで収録して、言うならば国民的アンソロジーと言える。
○ 万葉集は勅撰集でない。和歌の形体も、長歌、短歌、旋頭歌、仏足石歌があり連歌まである。万葉集では作家不明の歌も多い。これは作家の名前で選んだのでなく、歌の有効性のよって選んだからであろう。
○ 万葉集の混沌こそが万葉集の力であり魅力である。その意味で万葉集は文化であり、歴史である。
○ 例歌
「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事 大伴家持  20~4516」
「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな 額田王  1~18」
「旅人の宿りせむ野に霜降らばわが子羽ぐくめ天の鶴群 作者不明 9~1791」
「もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花 大伴家持 19~4143」

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