我妹子(わぎもこ)が、植ゑし梅の木、見るごとに、心咽(む)せつつ、涙し流る 大伴旅人 万葉集 巻3-0453
亡き妻が植えた梅の木を見るたびに、胸がつまって、涙を流してしまう
大伴旅人 は 大伴家持の父です。
当時としては60歳の高齢になっていた大伴旅人は、妻を伴って太宰府の長官である太宰の帥(そち)を拝命し、九州に赴任しました。しかし妻は到着からまもなく彼の地で亡くなっています。その3年後の730(天平2)年、従二位大納言に昇進して奈良の都に帰りました。都の自邸に一人戻った旅人が、かつて妻が手ずから植えた梅の木を見て詠んだ歌です。
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