2016年7月13日水曜日

7月13日(水)朝日新聞 「ひと 」小泉八雲の世界を伝えるひ孫で民族学者・小泉凡さん(55)  夜中に動きだす巨大な亀の石像、墓の下から聞こえてくる赤ん坊の泣き声……。明治期の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が暮らした松江市で、怪談話の舞台となった寺などを巡る「ゴーストツアー」を企画し、地元のNPO法人と取り組んでいる。  「闇や異界への畏怖(いふ)や想像力は私たちを謙虚にしてくれる。霊的な世界や自然と共生してきた日本人の心を忘れてはいけない」  東京生まれの東京育ち。八雲に興味を持つようになったのは民俗学を専攻していた大学院時代だ。1987年、松江市の高校に日本史の講師として招かれ、松江で暮らすように。「八雲のひ孫」と言われ、煩わしさを感じたときもあったが、山陰の自然や人情に引かれていったという。  目鼻立ちやしぐさが八雲に似ている。「人間の魂は、誕生とともに発生するのではない。先祖の魂が別の肉体を借りて生まれ変わるのかもしれません」。自身も松江の女性と結婚。現在は島根県立大短期大学部教授で、八雲を講じている。「怪談は人間心理の本質に迫り、生き方や社会のあり方を問い直す役割も担っている」  館長をつとめる「小泉八雲記念館」(松江市)が16日にリニューアルオープンする。八雲の愛用品などを収蔵し、多目的ホールも併設される。「子どもたちの教育の場としても活用していきたい」


7月13日(水)朝日新聞 「ひと 」小泉八雲の世界を伝えるひ孫で民族学者・小泉凡さん(55)
 夜中に動きだす巨大な亀の石像、墓の下から聞こえてくる赤ん坊の泣き声……。明治期の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が暮らした松江市で、怪談話の舞台となった寺などを巡る「ゴーストツアー」を企画し、地元のNPO法人と取り組んでいる。
 「闇や異界への畏怖(いふ)や想像力は私たちを謙虚にしてくれる。霊的な世界や自然と共生してきた日本人の心を忘れてはいけない」
 東京生まれの東京育ち。八雲に興味を持つようになったのは民俗学を専攻していた大学院時代だ。1987年、松江市の高校に日本史の講師として招かれ、松江で暮らすように。「八雲のひ孫」と言われ、煩わしさを感じたときもあったが、山陰の自然や人情に引かれていったという。
 目鼻立ちやしぐさが八雲に似ている。「人間の魂は、誕生とともに発生するのではない。先祖の魂が別の肉体を借りて生まれ変わるのかもしれません」。自身も松江の女性と結婚。現在は島根県立大短期大学部教授で、八雲を講じている。「怪談は人間心理の本質に迫り、生き方や社会のあり方を問い直す役割も担っている」
 館長をつとめる「小泉八雲記念館」(松江市)が16日にリニューアルオープンする。八雲の愛用品などを収蔵し、多目的ホールも併設される。「子どもたちの教育の場としても活用していきたい」

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