2018年6月26日火曜日

「大義の末 城山三郎」を読む。 ○ 経済小説の大家である城山三郎氏が、自らの戦争体験を下に天皇制の問題に切り込んだ異色作である。 ○ この書は柿見と言う少年の天皇制に対する心の変遷を語る小説である。  中学生の柿見は杉本五郎中佐の著作「大義」を読んで、海軍予科練を志望する。 戦争は敗北という結果になり、柿見の愛国少年の純粋な気持ちを呑み込み、挫折、絶望へと導いていく。終戦をむかえたのだが、柿見は戦後社会に適合できず、その「大義」に続く世界を、皇太子「平成天皇」の中に見出す。 やがて故郷に帰った柿見が直面したものは、戦前に戦意高揚を煽った人物達が、そのことを忘れて権力の座についている姿だった。 ○ 「大義」は陸軍中佐杉本五郎(1900~1938 38 歳で戦死)の書である。この書は戦時中の死生観を示す代表的な著書とされ、天皇を尊び、天皇のために身を捧げることこそ、日本人の唯一の生き方と説いている。本書を読み杉本に憧れ軍人を志した者も少なくない。

「大義の末 城山三郎」を読む。
○ 経済小説の大家である城山三郎氏が、自らの戦争体験を下に天皇制の問題に切り込んだ異色作である。
○ この書は柿見と言う少年の天皇制に対する心の変遷を語る小説である。
 中学生の柿見は杉本五郎中佐の著作「大義」を読んで、海軍予科練を志望する。
戦争は敗北という結果になり、柿見の愛国少年の純粋な気持ちを呑み込み、挫折、絶望へと導いていく。終戦をむかえたのだが、柿見は戦後社会に適合できず、その「大義」に続く世界を、皇太子「平成天皇」の中に見出す。
やがて故郷に帰った柿見が直面したものは、戦前に戦意高揚を煽った人物達が、そのことを忘れて権力の座についている姿だった。
○ 「大義」は陸軍中佐杉本五郎(1900~1938 38 歳で戦死)の書である。この書は戦時中の死生観を示す代表的な著書とされ、天皇を尊び、天皇のために身を捧げることこそ、日本人の唯一の生き方と説いている。本書を読み杉本に憧れ軍人を志した者も少なくない。

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