「民族問題 佐藤優」を読む。
○ 著者は“民族問題に疎い”の日本人だからこそ知っておくべき、民族問題の現実と基礎理論をまとめた一冊であると称する。
○ この本はベストセラーであるが、世界史について数々の誤認があると思う。
つまり著者は自分の議論に都合の良い民族問題だけを取り上げているかに見える。
○ 著者はソ連の独裁者スターリンを「民族問題の専門家」と高い評価を与える。この評価は妥当とするのは困難である。
○ 著者は世界史的に見れば民族と言う意識が現れたのは約250年前であるとする。
しかしそれは著者の誤認ではないか。
スコットランドはヨーロッパ最古の歴史をもつ王国とされるが、1707年以降ブリテン連合王国の一部の地位に甘んじてきた。しかし、近年自治が拡大されてきており、連合王国からの分離を求める声も少なくない。
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本当に民族問題を考察するにはこの本は適当ではない。
○ 今も世界のあちこちで民族問題の炎が噴出し続けている。
テロの国際的拡散、移民・難民の増大、労働者間の国際競争、スコットランド。カタルーニャなど地域による独立論争、トランプ後のアメリカで台頭する白人至上主義、中東からの入国規制が挙げられる。
○ 日本人は約1億人一つの民族とされていて、我々もその様に思っている。
しかし世界的に見ると多くの国家では、一つの国に多数の民族を抱えている。
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