2018年4月18日水曜日

「花を旅する 栗田勇」を楽しく読む。 ○ 人生に於いて桜、藤、あやめ、百合、蓮、萩、菊、紅葉、梅等の「花」の魅力は奥深い。 私たちの生活や文化にとけこみ、移り行く季節を感じさせ、時に強い思い出を刻む楽しい花に纏わる本です。一年十二ヵ月も「花」を一章毎に取り上げ、花の名所への旅、そして文学、芸能、伝承に分け入り、時空を超えた花との出逢いから、花に託された日本人の心をさぐる書です。 さあ毎月に咲く代表的な和歌、俳句を楽しみを花の旅しましょう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4月【桜】「花」と言えば桜。「散ればこそいとど桜はめでたけれ」花の吉野山。西行の桜。 「吉野山こぞのしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねん 西行」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5月【藤】藤の色合い、藤色のヴェール。衣服にもなった藤の霊力。源氏物語十二月包むイメージ 「恋しけば形見にせむとわが屋戸に植ゑし藤波いま咲きにけり 万葉集8~1471」 「草臥れて宿かるころや藤の花 芭蕉」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6月【あやめ】鮮やかで凛としたイメージ。いずれあやめかかきつばた。郷愁を誘う花の美。 「霍公鳥(ほととぎす)待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか 大伴家持 万葉集 8~1490」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7月【百合】花の女王。純潔、清らかさ、そのうちに秘められたエロス。マラルメの詩の魅力 「道の辺の草深百合の花咲みに咲みしがからに妻と言ふべしや 詠み人知らず 万葉集7~1257」 「雲雀たつあら野におふる姫ゆりのなににつくともなき心かな 西行」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8月【蓮】開くとき音がするのか。大賀蓮の由来。大和人の趣。ユートピア浄土のイメージ。 「羅(うすもの)に遮る蓮のにほひ哉 蕪村」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9月【萩】秋の七草の中でも代表的。万葉集の花では一番多く歌われている。奥ゆかしい色気 「我が岡にさ牡鹿来鳴く初萩の花妻問ひに来鳴くさ牡鹿 大伴旅人 万葉集 8~1541」 「宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそあれ 源氏物語 桐壷の巻」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10月【菊】重陽の節句の花。菊人形づくり。陶淵明の詩の菊。繊細優雅な菊への愛着は深い 「 露ながら折りてかざさむ 菊の花 老いせぬ秋の  久しかるべく 紀友則 古今集 270」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 11月【紅葉】もみじの種類と色もさまざま。万葉集では黄葉と書く。遊山にもみじ狩り。 「うらを見せおもてを見せて散るもみじ 良寛」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 12月【花祭り】大晦日から元旦にかけて新春の花祭り。古代からの宗教性がある。 「み渡せば花ももみじもせばなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1月【松】常緑樹で寿命が長い。最も品格のある植物。正月の松飾り・門松として祝賀の木。 「磐代(いわしろ)の浜松が枝を引き結びま幸(さき)くあらばまたかへり見む 有間皇子 万葉集 2~141」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2月【梅】中国文化を担って大宰府から流入。天神様の飛び梅が有名すでに万葉時代から。 「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘るな 菅原道真」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3月【椿】飛鳥の海石榴市(つばいち)、霊力があり、野生の魅力がある。江戸に園芸ブーム 「川の上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野は 春日蔵首老 万葉集 1~56

「花を旅する 栗田勇」を楽しく読む。
○ 人生に於いて桜、藤、あやめ、百合、蓮、萩、菊、紅葉、梅等の「花」の魅力は奥深い。
私たちの生活や文化にとけこみ、移り行く季節を感じさせ、時に強い思い出を刻む楽しい花に纏わる本です。一年十二ヵ月も「花」を一章毎に取り上げ、花の名所への旅、そして文学、芸能、伝承に分け入り、時空を超えた花との出逢いから、花に託された日本人の心をさぐる書です。 さあ毎月に咲く代表的な和歌、俳句を楽しみを花の旅しましょう。
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4月【桜】「花」と言えば桜。「散ればこそいとど桜はめでたけれ」花の吉野山。西行の桜。
「吉野山こぞのしをりの道かへてまだ見ぬかたの花を尋ねん 西行」
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5月【藤】藤の色合い、藤色のヴェール。衣服にもなった藤の霊力。源氏物語十二月包むイメージ
「恋しけば形見にせむとわが屋戸に植ゑし藤波いま咲きにけり 万葉集8~1471」
「草臥れて宿かるころや藤の花 芭蕉」
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6月【あやめ】鮮やかで凛としたイメージ。いずれあやめかかきつばた。郷愁を誘う花の美。
「霍公鳥(ほととぎす)待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか 大伴家持 万葉集 8~1490」
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7月【百合】花の女王。純潔、清らかさ、そのうちに秘められたエロス。マラルメの詩の魅力
「道の辺の草深百合の花咲みに咲みしがからに妻と言ふべしや 詠み人知らず 万葉集7~1257」
「雲雀たつあら野におふる姫ゆりのなににつくともなき心かな 西行」
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8月【蓮】開くとき音がするのか。大賀蓮の由来。大和人の趣。ユートピア浄土のイメージ。
「羅(うすもの)に遮る蓮のにほひ哉 蕪村」
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9月【萩】秋の七草の中でも代表的。万葉集の花では一番多く歌われている。奥ゆかしい色気
「我が岡にさ牡鹿来鳴く初萩の花妻問ひに来鳴くさ牡鹿 大伴旅人 万葉集 8~1541」
「宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそあれ 源氏物語 桐壷の巻」
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10月【菊】重陽の節句の花。菊人形づくり。陶淵明の詩の菊。繊細優雅な菊への愛着は深い
「 露ながら折りてかざさむ 菊の花 老いせぬ秋の  久しかるべく 紀友則 古今集 270」
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11月【紅葉】もみじの種類と色もさまざま。万葉集では黄葉と書く。遊山にもみじ狩り。
「うらを見せおもてを見せて散るもみじ 良寛」
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12月【花祭り】大晦日から元旦にかけて新春の花祭り。古代からの宗教性がある。
「み渡せば花ももみじもせばなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家」
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1月【松】常緑樹で寿命が長い。最も品格のある植物。正月の松飾り・門松として祝賀の木。
「磐代(いわしろ)の浜松が枝を引き結びま幸(さき)くあらばまたかへり見む 有間皇子 万葉集 2~141」
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2月【梅】中国文化を担って大宰府から流入。天神様の飛び梅が有名すでに万葉時代から。
「東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘るな 菅原道真」
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3月【椿】飛鳥の海石榴市(つばいち)、霊力があり、野生の魅力がある。江戸に園芸ブーム
「川の上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野は 春日蔵首老 万葉集 1~56

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