「俳句世がたり 小沢信男」を読む。
○ 201年4月から2016年10月まで73回にわたり、雑誌に連載された俳句エッセイをまとめたものである。
○ 芭蕉から正岡子規や夏目漱石、久保田万太郎、永井荷風など、更に著者の知友に至るまで、古今の心ひかれた俳句を引きながら、「継起する天下の出来事」についての思いを、洒脱にして切れ味鋭い語り口で述べ尽くし、爽快きわまりない。
○ 祭りに相撲、友人の死、敗戦の記憶、大震災、浮き世に出逢うさまざまな出来事を、笑いを織り込み権力を撃つ練達の筆に私たちの生きる近年の世相が鮮やかに浮かぶ 俳句入門としても参考となる書だ。
例句
神田川祭の中を流れけり 久保田万太郎
津浪の町の揃ふ命日 武玉川 (260年前の俳句、東電は福島の津浪を想定外と言い責任逃れをする。)
風船爆弾放流地後苦蓬 池田澄子
万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男
好きなものは玻璃薔薇雨駅指春雷 鈴木しづ子
様々な人が通って日が暮れる 武玉川
天狗住んで斧入らしめず木の茂り 正岡子規
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