「隅田川の文学 久保田淳」を読む。
著者は中世の和歌の研究者である。隅田川を背景とした文学作品を集め、各時代の文学が、どのようにこの川を舞台に生かしてきたか、また先行作品と響きあっていたか。
本書は歴史をさかのぼる形で書かれている。第二次大戦中の凄惨な光景を詠んだ俳句から、川端康成、芥川龍之介、谷崎潤一郎、パンの会、永井荷風、泉鏡花、河竹黙阿弥、鶴屋南北、近松門左衛門、芭蕉、能の「隅田川」、「太平記」、「とはずがたり」、藤原定家、「伊勢物語」と語られていく。
○ 「百万の焼けて年逝く小名木川 石田波郷」
小名木川は隅田川の支流です。
「羽子板や子はまぼろしのすみだ川 水原秋桜子」
「名月や池をめぐりて夜もすがら 芭蕉」
芭蕉は隅田川右岸の深川に住んでいました。
○ 平安時代の京都人にとって訪れた事の無い隅田川は憧れであった。伊勢物語の主人公とされる在原業平は江戸に来た事はない。しかし隅田川には業平橋が架かっている。
2018年5月1日火曜日
「隅田川の文学 久保田淳」を読む。 著者は中世の和歌の研究者である。隅田川を背景とした文学作品を集め、各時代の文学が、どのようにこの川を舞台に生かしてきたか、また先行作品と響きあっていたか。 本書は歴史をさかのぼる形で書かれている。第二次大戦中の凄惨な光景を詠んだ俳句から、川端康成、芥川龍之介、谷崎潤一郎、パンの会、永井荷風、泉鏡花、河竹黙阿弥、鶴屋南北、近松門左衛門、芭蕉、能の「隅田川」、「太平記」、「とはずがたり」、藤原定家、「伊勢物語」と語られていく。 ○ 「百万の焼けて年逝く小名木川 石田波郷」 小名木川は隅田川の支流です。 「羽子板や子はまぼろしのすみだ川 水原秋桜子」 「名月や池をめぐりて夜もすがら 芭蕉」 芭蕉は隅田川右岸の深川に住んでいました。 ○ 平安時代の京都人にとって訪れた事の無い隅田川は憧れであった。伊勢物語の主人公とされる在原業平は江戸に来た事はない。しかし隅田川には業平橋が架かっている。
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