2014年10月23日木曜日

俳句10月23日

2014 10-12俳句 10.04



ゆく秋やふと街角に逝きし人

ゆく秋や雲は我より遠ざかり

蚕飼屋の窓を隠せし柿すだれ

柚子の香を微かに纏ふ赤子 かな

旅土産母に贈りし柚子の餅

幻の鈴木真砂女に柳散る

振り返る絣の袖に柳散る

山峡の足湯に浸り南瓜汁

絵硝子の風神走る野分かな

台風過少しの晴れの美術館

にじり口出れば山峡秋桜

にじり口出たれば揺れる秋桜

春草展出て竹橋の草紅葉

春草展出て竹橋の秋桜

鯊釣りの釣果を子等に与えけり

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お茶の水教会句会投句

焼き栗の爆ぜて悪童クラス会 

遣唐使船出の憂ひ鳥渡る

西穂高望む対岸散るり紅葉

その家の賢弟愚兄郁子垂るる

鱒の寿司買ひて鈍行小海線

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町内に寡婦また増えて秋燈

瞬くは国見の丘の秋燈


遣唐使船出の憂ひ鳥渡る

吾も亦旅にぞ立たむ鳥渡る

路傍なる石に座りて秋深し

秋深き今日の悩み過去に置く

無住時に首落ち地蔵冷まじや

冷まじや葉書一枚戦死報

焼き栗の爆ぜて悪童クラス会       麦 秋

神島を仰ぐ岬に鷹柱    

幻の鈴木真砂女や散り柳

振り返る絣の袖に柳散る

廃校の山の分校櫨紅葉

西穂高望む対岸草紅葉

茶室まで散らす紅葉の五枚かな

泉より双手で掬ふ破れ紅葉

末枯や紙燈籠の薄明かり   今週の俳句麦 秋

柿落つや本多忠勝居城跡

柿熟す祖母の故郷の明日香村


麦秋

茶室まで散らす紅葉の五枚かな

泉より双手で掬ふ破れ紅葉



熟柿落つ老老介護二十年

車椅子押してよろめく熟し柿

その家の賢弟愚兄郁子垂るる

敗戦に心を病みて郁子を食む





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1.秋空や最上に響く船頭唄

2.蘆の花浮き雲ふたつ谷津干潟

3.稲雀えさまく爺を囲みをり

4.白露のふわりふどけて草千里

5.紅葉谷赤く燃へ立つ八甲田   北本

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サークル句会10月①句会投句 麦秋

秋潮に運ばれ来たる椰子一つ

神島を仰ぐ岬に鷹柱

太筆に紺を豊かに濃竜胆

鱒の寿司買ひて鈍行小海線

焼き栗の爆ぜて悪童クラス会

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白桃今が食べ頃良き香

秋風は心の揺れは何時までも

江戸川の水も豊かに曼珠沙華

戒律を破りし牧師曼珠沙華

喜寿過ぎて一蓮托生船施餓鬼

喜寿過ぎて何はともあれ彼岸花

撫子や伊良湖岬に豆灯台

撫子や未熟児やつと中学生

戒律を破りし牧師曼珠沙華

喜寿過ぎて一蓮托生船施餓鬼

喜寿過ぎて何はともあれ彼岸花

撫子や伊良湖岬に豆灯台

撫子や未熟児やつと中学生


逝きし友いるかも知れぬ秋の空 

爆撃機やはり遠くに秋の空 

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10月2日お茶の水教会俳句会選句結果

1聖書読む集ひ始まり涼新た

4焼岳の一刷毛の雲秋めける

10 箱根路は霧の中へと吸い込まれ

18星月夜地球という名の観覧車

26海見ゆるホスピスの玻璃鳥渡る

34オズの国案山子の帰る家何処

60一行の雁の行方や手賀の沼

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どつさりと蜜柑稔れり露天風呂

銀芒揺るるにまかせ露天風呂

青芒ほぐれ窓より八ヶ岳

鈴虫や放射能汚染地域

鈴虫やここは津波の抉りし地

紅葉降る椅子に座りし少女像

蓑虫のふはり落ちたる石舞台

蓑虫のふはり揺れけるこけし村

海老天のかくも大きな走り蕎麦

海老天に覆われている走り蕎麦

青蜜柑未熟児やつと一年生

花蜜柑丘の湯宿に杖忘れ

みかん咲く丘の湯宿に杖忘れ

ヴァイオリン聞きたる疲れ銀芒

捨て猫の膝に乗りきし青芒

相模湾見下す湯宿青蜜柑

鱒の寿司買ひて鈍行高崎線

水澄むや湖に落ちしネックレス

上京し転居十回秋桜

コスモスや丘の母校の古びけり

柿の秋六十年一瞬同窓会

秋桜六十年うたかたクラス会

機関車の車輪を漏れる夜業の灯

原稿の校正急ぐ夜業かな

海峡の漁火遠き夜長かな

小窓より師の執筆の影夜長かな 

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