2015年1月28日水曜日

「ノモンハンの夏 半藤一利」

「ノモンハンの夏     半藤一利」を読む。
太平洋戦争の2年前に日本陸軍はソ連軍と満州、蒙古国境地帯で戦った。2万名(戦死、戦病死、行方不明)もの日本軍将兵が苛烈な戦いに斃れ、傷ついた戦争がノモンハン事件である。
日本の参謀本部はソ連との紛争を許可しなかった。
この戦争は関東軍(満州派遣軍)辻政信参謀の個人的冒険主義により始まった。無益な戦争であった。
この戦いは、日本軍が内包する弱点を暴露した。
その弱点とは。
指導者が失敗の責任を取らない。貧弱な武器、補給で精神論だけで戦争をする。情報を無視する。国民に敗北を隠蔽する。敗北を勝利と言い換える。
ノモンハン事件はその後に続く太平洋戦争の為の貴重な戦訓を残した。
しかし日本軍はその教訓の何一つ生かそうとはしなかった。
更にノモンハン事件で重大な過失を犯した高級将校達を栄転させ、各所で同じ過ちを繰り返した。
ガダルカナルで、インパールで、そしてあらゆる太平洋の島々での玉砕戦で、同じ失敗を繰り返した。
残念ながら、多くの日本の指導者は失敗を認めない。言い訳は上手である。責任を部下に転嫁する。

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