「かの子繚乱その後 瀬戸内晴美」を読む。 「年々にわがかなしみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり 岡本かの子」 ○ この本は人並外れた激情の作家岡本かの子を支え、大輪の花と咲かせた家族と恋人たちを鮮やかに描く、伝記エッセイ集である。不滅の名作『かの子撩乱』の姉妹編である。 ○ 樋口一葉以来、女流作家の輩出は目覚ましい、その中でも特出する作家となると岡本かの子(1889~1939、享年50歳)である。かの子の文学は多調多彩、絢爛豪華と言うべきである。 かの子の文学が、純粋正統な一級文学であったと同時に、かの子その人もまた、純粋真正の芸術家であった。 ○ かの子はまたとない理解者一平を夫に得、才能豊かな太郎を子として産み、恒松安夫や新田亀三を崇拝者として同居させながら、かの子はいつでも孤独感にさいなまれていた。 ○ 一平は人前でもかの子を「女史」と呼び、世間に向かって、かの子の偉大さや天才さを語った。

「かの子繚乱その後　瀬戸内晴美」を読む。
「年々にわがかなしみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり　岡本かの子」
○　この本は人並外れた激情の作家岡本かの子を支え、大輪の花と咲かせた家族と恋人たちを鮮やかに描く、伝記エッセイ集である。不滅の名作『かの子撩乱』の姉妹編である。
○　樋口一葉以来、女流作家の輩出は目覚ましい、その中でも特出する作家となると岡本かの子(1889~1939、享年50歳)である。かの子の文学は多調多彩、絢爛豪華と言うべきである。
かの子の文学が、純粋正統な一級文学であったと同時に、かの子その人もまた、純粋真正の芸術家であった。
○　かの子はまたとない理解者一平を夫に得、才能豊かな太郎を子として産み、恒松安夫や新田亀三を崇拝者として同居させながら、かの子はいつでも孤独感にさいなまれていた。
○　一平は人前でもかの子を「女史」と呼び、世間に向かって、かの子の偉大さや天才さを語った。