2018年8月15日水曜日

8月15日NHKスペシャル「ノモンハン責任なき戦い」を見る。 ○ 日米開戦の2年前日本はソ連と戦争をしていた。ノモンハン事件である。決して事件でなく戦争であった。 主導したのは関東軍参謀・辻政信であった。中央の了解がないまま強行した戦争である。 ○ ノモンハン事件は、1939年(昭和14年)5月から同年9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した紛争である。日本軍の兵力2万5000人、ソ連軍の兵力5万7000人である。 ○ 日本がノモンハン事件と言う軍事衝突をソ連はハルハ河戦争と呼ぶ。 敗戦を終戦と言い換え、われわれの呼称は、いつも姑息である。 ○ ジューコフを現地司令官に派遣して全力で戦ったソ連に対し、日本側は現地の独断専行に終始、充分な兵站補給も行わず、はては各部隊長に責任を取らせて自決させるを回避して恥じない、姑息な隠蔽体質は、現代の我々にも脈々と受け継がれている。 ○ 79年前、モンゴル東部の大草原で、日ソ両軍が激戦を繰り広げたノモンハン事件。ソ連軍が大量投入した近代兵器を前に、日本は2万人に及ぶ死傷者を出した。日本軍は明治38年製の小銃「38銃」で戦った。太平洋戦争でも「38銃」が主力兵器であった。 ノモンハン事件でも太平洋でも敗北は当然であった。 ○ ノモンハン事件におけるソ連戦車と日本戦車の比較。 ソ連の戦車の射程距離1500~2000m、日本の戦車の射程距700~800m。この戦争で日本戦車の60%が損耗した。それでも日本陸軍は勝ったと宣伝した。日本の歩兵は日本戦車を「豆腐」と酷評した。 ○  失敗はすべて部下、現場に責任を取らす。トップは責任を取らない。失敗は無かった事にする。日本人の体質は何も変わっていない。 作家・司馬遼太郎が「日本人であることが嫌になった」と作品化を断念した、この戦争。 ○ 情報を軽視した楽観的な見通しや、物量より優先される精神主義など、太平洋戦争でも繰り返される“失敗の本質”が凝縮されていた。 しかし軍は、現場の将校には自決(自殺)を強要した一方で、作戦を主導した関東軍のエリート参謀たちはその後復帰させ、同じ失敗を重ねていった。 ○ 今回NHKは、ロシアで2時間に及ぶソ連軍の記録映像を発掘。 4Kで精細にスキャンした映像を「AIによる自動カラー化技術」で鮮やかに着色し、戦場の実態を現代によみがえらせる。 さらに軍の判断の経緯が証言された、150時間を超える陸軍幹部の肉声テープも入手。敗北はどのようにして隠され、失敗は繰り返されたのか。映像と証言から迫る。

8月15日NHKスペシャル「ノモンハン責任なき戦い」を見る。
○ 日米開戦の2年前日本はソ連と戦争をしていた。ノモンハン事件である。決して事件でなく戦争であった。
主導したのは関東軍参謀・辻政信であった。中央の了解がないまま強行した戦争である。
○ ノモンハン事件は、1939年(昭和14年)5月から同年9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した紛争である。日本軍の兵力2万5000人、ソ連軍の兵力5万7000人である。
○ 日本がノモンハン事件と言う軍事衝突をソ連はハルハ河戦争と呼ぶ。
敗戦を終戦と言い換え、われわれの呼称は、いつも姑息である。
○ ジューコフを現地司令官に派遣して全力で戦ったソ連に対し、日本側は現地の独断専行に終始、充分な兵站補給も行わず、はては各部隊長に責任を取らせて自決させるを回避して恥じない、姑息な隠蔽体質は、現代の我々にも脈々と受け継がれている。
○ 79年前、モンゴル東部の大草原で、日ソ両軍が激戦を繰り広げたノモンハン事件。ソ連軍が大量投入した近代兵器を前に、日本は2万人に及ぶ死傷者を出した。日本軍は明治38年製の小銃「38銃」で戦った。太平洋戦争でも「38銃」が主力兵器であった。
ノモンハン事件でも太平洋でも敗北は当然であった。
○ ノモンハン事件におけるソ連戦車と日本戦車の比較。
ソ連の戦車の射程距離1500~2000m、日本の戦車の射程距700~800m。この戦争で日本戦車の60%が損耗した。それでも日本陸軍は勝ったと宣伝した。日本の歩兵は日本戦車を「豆腐」と酷評した。
○  失敗はすべて部下、現場に責任を取らす。トップは責任を取らない。失敗は無かった事にする。日本人の体質は何も変わっていない。
作家・司馬遼太郎が「日本人であることが嫌になった」と作品化を断念した、この戦争。
○ 情報を軽視した楽観的な見通しや、物量より優先される精神主義など、太平洋戦争でも繰り返される“失敗の本質”が凝縮されていた。
しかし軍は、現場の将校には自決(自殺)を強要した一方で、作戦を主導した関東軍のエリート参謀たちはその後復帰させ、同じ失敗を重ねていった。
○ 今回NHKは、ロシアで2時間に及ぶソ連軍の記録映像を発掘。
4Kで精細にスキャンした映像を「AIによる自動カラー化技術」で鮮やかに着色し、戦場の実態を現代によみがえらせる。
さらに軍の判断の経緯が証言された、150時間を超える陸軍幹部の肉声テープも入手。敗北はどのようにして隠され、失敗は繰り返されたのか。映像と証言から迫る。

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