2018年8月4日土曜日

「もう一つの幕末史 半藤一利」を読む。 著者は薩長史観の明治維新の定説と違った立場を取る ○ 幕末・明治維新といえば、薩摩・長州が中心に描かれることが多い。西郷隆盛、吉田松陰、高杉晋作などなど反幕勢力が主流である。 ○ 然るが故に本書は「もう一つの幕末史」を述べる。 本書の優れた点は、「歴史とは『現在』そして『未来』のためにある」と述べているように、歴史上の出来事から現代日本への示唆を導き出そうとしている。 ○ 幕末に外圧にさらされ国のあり方を抜本的に見直さざるを得ない状況で、薩長は尊皇攘夷の議論をし討幕をするが、幕府が倒れるや、攘夷を取止め開国し西欧の文化を導入する。 ○ 著者は勝海舟を高く評価する。 ○ 会津戦争、越後長岡戦争は官軍による無益な戦争であった。 ○ 日本という国力の限界をしっかりと見定める、地政学的な日本本土の位置を認識する、その上でできる最大限のことをする、というリアリズムに徹することだと著者は言う。 ○ グローバル化やテクノロジーの進化により、未曾有の変化にさらされている今を生きる私たちも、多くの示唆を得ることができる本である。

「もう一つの幕末史 半藤一利」を読む。
著者は薩長史観の明治維新の定説と違った立場を取る
○ 幕末・明治維新といえば、薩摩・長州が中心に描かれることが多い。西郷隆盛、吉田松陰、高杉晋作などなど反幕勢力が主流である。
○ 然るが故に本書は「もう一つの幕末史」を述べる。
本書の優れた点は、「歴史とは『現在』そして『未来』のためにある」と述べているように、歴史上の出来事から現代日本への示唆を導き出そうとしている。
○ 幕末に外圧にさらされ国のあり方を抜本的に見直さざるを得ない状況で、薩長は尊皇攘夷の議論をし討幕をするが、幕府が倒れるや、攘夷を取止め開国し西欧の文化を導入する。
○ 著者は勝海舟を高く評価する。
○ 会津戦争、越後長岡戦争は官軍による無益な戦争であった。
○ 日本という国力の限界をしっかりと見定める、地政学的な日本本土の位置を認識する、その上でできる最大限のことをする、というリアリズムに徹することだと著者は言う。
○ グローバル化やテクノロジーの進化により、未曾有の変化にさらされている今を生きる私たちも、多くの示唆を得ることができる本である。

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