2018年8月20日月曜日

「源氏物語五十四帖を歩く 朧谷壽」を読む。 我が国の古典の中で「源氏物語」ほど多くの読者を得た作品は他にない。 ○ 「源氏物語」の味わいは、原文講読にある、もう一つの楽しみは、「源氏物語」の史跡を巡る事である。この本は「源氏物語」の解説に、多くの美しいカラー写真を加え、「源氏物語」巡りを楽しむ書である。 ○ この本には往時の風景が登場する。そのほとんどは平安京とその周辺で(山城国)、少し離れて近江・若狭・越前・大和・摂津・播磨国、もっとも遠方が太宰府であろうか。 ○ 概して、この時代の人々に旅の風習がないこともあって行動範囲は極めて狭く、とりわけ女性はそうであった。その意味では、受領を父か夫に持つ王朝の女性作家で地方生活の体験者が多いことは注目されてよい。そのことが彼女たちの作品を豊かにしているし、紫式部も父の任国、越前での一年余の生活が、地方描写の糧になっていることは疑えない。さあ、王朝の雰囲気を求めて旅に出よう。 もし京都に行く機会があればこの本を携えていけば楽しい旅になるだろう。

「源氏物語五十四帖を歩く 朧谷壽」を読む。
我が国の古典の中で「源氏物語」ほど多くの読者を得た作品は他にない。
○ 「源氏物語」の味わいは、原文講読にある、もう一つの楽しみは、「源氏物語」の史跡を巡る事である。この本は「源氏物語」の解説に、多くの美しいカラー写真を加え、「源氏物語」巡りを楽しむ書である。
○ この本には往時の風景が登場する。そのほとんどは平安京とその周辺で(山城国)、少し離れて近江・若狭・越前・大和・摂津・播磨国、もっとも遠方が太宰府であろうか。
○ 概して、この時代の人々に旅の風習がないこともあって行動範囲は極めて狭く、とりわけ女性はそうであった。その意味では、受領を父か夫に持つ王朝の女性作家で地方生活の体験者が多いことは注目されてよい。そのことが彼女たちの作品を豊かにしているし、紫式部も父の任国、越前での一年余の生活が、地方描写の糧になっていることは疑えない。さあ、王朝の雰囲気を求めて旅に出よう。
もし京都に行く機会があればこの本を携えていけば楽しい旅になるだろう。

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