2016年8月26日金曜日

「風土記の世界と日本の古代 永藤靖」を読む。 「記紀」に対する「風土記」は、「中央」に対する「地方」などと言われるものではなく、もっと独立的な地域文化の表現と言える。そうした地域文化をとおして、古代日本の実像に迫る本だ。 ○ 「記紀」は大和朝廷が自らの正統性を述べた書だ。風土記は記紀に洩れた伝承が述べれている。風土記を読む事により古代史を深く知る事できるのだ。 ○ 常陸の国風土記よればヤマトタケルは武尊天皇として現れる。これは東国経営拠点として相当長くヤマトタケルが常陸(茨城県)居住していた事を示す記述だ。 ○ 「土蜘蛛」とは異民族でなく、大和朝廷に服属しない民であった。 ○ 「神名火」(カムナビ)の言葉は出雲起源の言葉だ。しかし西日本で広く使われる事だ。言わば大国主命信仰に範囲は広いおもわれる。 ○ 国引き神話は出雲地方の神話である。中国、朝鮮半島との交易の広さを表す。太平洋側には国引き神話は見られなない。 ○ 言うまでもなく、天照大神(アマテラスオオミカミ)は皇室祖先神である。しかし明治天皇の前の天皇の参拝は無かった。天照大神は女性神であった、歴代、皇女のみ斎宮)として仕えることがが許された。

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