「中村天風伝 松本幸夫」を読む。
中村 天風(1876〜1968)は日本の思想家、実業家。日本初のヨーガ行者で、天風会を創始し心身統一法を広めた。本名は中村三郎である。
中村天風の波乱万丈の人生を丹念にたどり、その生きざまと、そこから生み出された「天風哲学」について、わかりやすく説く。
中村天風は日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなった事から、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。
失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にもヨガの聖者と出会いヒマラヤの麓で指導を受け、「自分は大宇宙の力と結びついている強い存在だ」という真理を悟ることで、病を克服し運命を切り拓く。帰国後は実業界で活躍するが、大正8(1919)年、病や煩悶や貧乏などに悩まされている人々を救おうと、自らの体験から“人間の命”の本来の在り方を研究、「心身統一法」を創見し講演活動を始める。この教えに感銘を受けた政財界など各界の有力者の支持を受け「天風会」を設立。その後50年にわたり教えを説く。第二次世界大戦に反対する。そして捕虜のアメリカ軍兵士を救う。昭和43(1968)年、92歳で生涯を閉じる。
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