2018年5月3日木曜日

「通り過ぎた人々 小沢信男」を読む。 ○ 花田清輝に見いだされ、学生のころより新日本文学会に加わり、2005年3月の解散時まで半世紀にわたって在籍した著者が、そこで出会った人々の思い出を書き残しておきたいと綴った。井上光晴、小野二郎、菅原克己、藤田省三ほか、とりあげられた18名はすべて物故者である。 ○ 新日本文学会は、1945年から2005年まで存続した、日本の文学者の団体である。発足当時は日本共産党の影響の強い文学団体であったが、後に日本共産党と断絶する。 ○ 著者は語る。「自主独立的に誇り高い人々であった。団体なのに独往邁進、ではなくて、独往邁進する連中の団体が、あるときあり得たり、あり損ねたり。 そんなおかしな空間と時間が、とにかくあった証拠の18例です。 あぁ、おもしろかったなぁ。しょせん時勢はくそいまいましいまでにせよ、こんな人と時代があったことを、いささかお汲みとりいただければ、もって瞑すべし」 新日本文学会とはなんだったのか。軽妙なタッチでペーソス豊かに描かれた追悼録から、戦後日本を代表する文学運動体の盛衰が浮かび上がる。 ○ 著者の思い出の人々 井上光晴、寺島珠雄、向井孝、菅原克己、関根弘、古賀孝之、石田郁夫、 菊池章一、内田栄一、小野二郎、藤森司郎、 久保田正文、畔柳二美、 富士正晴、秋山清、藤田省三、庄幸司郎、田所泉。

「通り過ぎた人々 小沢信男」を読む。
○ 花田清輝に見いだされ、学生のころより新日本文学会に加わり、2005年3月の解散時まで半世紀にわたって在籍した著者が、そこで出会った人々の思い出を書き残しておきたいと綴った。井上光晴、小野二郎、菅原克己、藤田省三ほか、とりあげられた18名はすべて物故者である。
○ 新日本文学会は、1945年から2005年まで存続した、日本の文学者の団体である。発足当時は日本共産党の影響の強い文学団体であったが、後に日本共産党と断絶する。
○ 著者は語る。「自主独立的に誇り高い人々であった。団体なのに独往邁進、ではなくて、独往邁進する連中の団体が、あるときあり得たり、あり損ねたり。
そんなおかしな空間と時間が、とにかくあった証拠の18例です。
あぁ、おもしろかったなぁ。しょせん時勢はくそいまいましいまでにせよ、こんな人と時代があったことを、いささかお汲みとりいただければ、もって瞑すべし」
新日本文学会とはなんだったのか。軽妙なタッチでペーソス豊かに描かれた追悼録から、戦後日本を代表する文学運動体の盛衰が浮かび上がる。
○ 著者の思い出の人々
井上光晴、寺島珠雄、向井孝、菅原克己、関根弘、古賀孝之、石田郁夫、
菊池章一、内田栄一、小野二郎、藤森司郎、 久保田正文、畔柳二美、
富士正晴、秋山清、藤田省三、庄幸司郎、田所泉。

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