2018年5月7日月曜日

「恋する伊勢物語 俵万智」を読む。 「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふ今日とは思はざりしを 第25段」古今集によると在原業平の和歌である。 ○ 私は公民館の古典講座で伊勢物語を楽しく受講しました。 この本は俵万智さんが1991年の読売新聞日曜版に1年間連載した伊勢物語についてのエッセイを纏めた書です。 ○ 伊勢物語に載っている和歌と業平の和歌との関係で、在原業平が主人公ということに想定される。しかし伊勢物語はフィクションである。業平の一代記と言い難い。 ○ 東京に業平橋があるが、これは伊勢物語を愛する人がこの名前をつけたのだろう。実在の在原業平は江戸には来ていない。 ○さまざまな形の男女の愛、失恋や、片思い、恋のかけひき。を歌物語として和歌を織り込み語る。著者の解説によると、今も昔もあまり変わらない男女の恋愛模様がここに収められている。もっとも「通い婚」が結婚制度としてあること、和歌のやりとりが心の交流の手立てである。 歌人である著者は、この伊勢物語の現代語訳を試みたそうだが、その過程で何度も読み込みをし、理解を深め、その理解の片鱗を読者に提供してくれた。ありがたいことである。 ちなみに「伊勢物語」の「伊勢」とは何かについては、作者が「伊勢」という名前だったという説、話を伊勢の国に関連付ける説、「伊」は女で、「勢」は男をあらわし、つまり男女の話とみなす説などいろいろ説があるようだが、有力なのは「伊勢斎宮(いつきのみや)」の登場する話があるからという説があり確定できない。 「伊勢物語」は「源氏物語」より先に書かれた事は間違いない。

「恋する伊勢物語 俵万智」を読む。
「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふ今日とは思はざりしを 第25段」古今集によると在原業平の和歌である。
○ 私は公民館の古典講座で伊勢物語を楽しく受講しました。
この本は俵万智さんが1991年の読売新聞日曜版に1年間連載した伊勢物語についてのエッセイを纏めた書です。
○ 伊勢物語に載っている和歌と業平の和歌との関係で、在原業平が主人公ということに想定される。しかし伊勢物語はフィクションである。業平の一代記と言い難い。
○ 東京に業平橋があるが、これは伊勢物語を愛する人がこの名前をつけたのだろう。実在の在原業平は江戸には来ていない。
○さまざまな形の男女の愛、失恋や、片思い、恋のかけひき。を歌物語として和歌を織り込み語る。著者の解説によると、今も昔もあまり変わらない男女の恋愛模様がここに収められている。もっとも「通い婚」が結婚制度としてあること、和歌のやりとりが心の交流の手立てである。
歌人である著者は、この伊勢物語の現代語訳を試みたそうだが、その過程で何度も読み込みをし、理解を深め、その理解の片鱗を読者に提供してくれた。ありがたいことである。
ちなみに「伊勢物語」の「伊勢」とは何かについては、作者が「伊勢」という名前だったという説、話を伊勢の国に関連付ける説、「伊」は女で、「勢」は男をあらわし、つまり男女の話とみなす説などいろいろ説があるようだが、有力なのは「伊勢斎宮(いつきのみや)」の登場する話があるからという説があり確定できない。
「伊勢物語」は「源氏物語」より先に書かれた事は間違いない。

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