芭蕉の句・書簡16点が見つかった。これは貴重な発見だ。
6月2日「柿衞(かきもり)文庫」(兵庫県伊丹市)は江戸時代前期の俳人・松尾芭蕉(1644〜1694)直筆の書簡や連句、画など16点が京都府や愛知県の個人宅などで見つかったと発表した。
書簡からは芭蕉の愛読書とされる中国の古典「荘子」を通じ、門人の膳所(ぜぜ)藩士の怒誰(どすい)に宛てた書簡には「(江戸に)珍しく荘子の教え手がいるが、聞き手がいなくて途絶えがちになっている」とある。江戸で荘子を語り合う機会が少ないと残念がっている。
連句は1685(貞享2)年3月、「野ざらし紀行」の旅で水口(現・滋賀県甲賀市)を訪れた時のもの。3人の連句で、芭蕉は3番目に「三股(みつまた)の桜にのぼる人有(あり)て」と詠んだ。「三股」は川の合流地点を指すとみられ、近くに咲く桜を船から鑑賞する人たちの様子を見て、風流な時間を共有した喜びを表現したとみられる。
芭蕉が詠んだ句に自ら描いた画を添えた、句自画賛「朝顔に」も確認された。これまで偽物しか見つかっていなかった。1682(天和2)年に詠んだ「朝顔にわれはめし喰(くう)おとこ哉(かな)」
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