「戦史の証言者たち 吉村昭」を読む。
吉村昭氏の作品を読む魅力は証言者たちとの対話の中から、証言者たちの過去の世界にタイムスリップできる事である。吉村昭氏は当時の事情に詳しい関係者に直接面談して説明を受けた、吉村昭氏以外ではなし得なかったであろうノン・フィクションの集大成である。
第二次大戦中の大ニュース
○戦艦武蔵の進水
時代遅れの巨艦巨砲主義の終焉。アメリカ軍の飛行機爆撃により沈没。
○山本五十六連合艦隊司令長官の戦死
ミッドウエイ海戦から情報戦の敗北。戦う前から敗北だった。長官の搭乗機はアメリカ軍戦闘機の待ち伏せにあって墜落。
○福留参謀長の遭難と救出。前代未聞、海軍中将が捕虜になった。
日本はゲリラと交渉して福留を解放させ、帰還した福留は海軍次官・沢本頼雄中将らから事情聴取を受けることになるが、本人が徹底して機密書類紛失の容疑を否定した。当時の日本では敵の捕虜となる事をこの上ない恥としており、福留がゲリラに捕縛された事を敵の捕虜になったとみなすかどうかが問題となったが、戦時は捕虜にならなかったという見地で不問になった。
○伊号第三三潜水艦の沈没と浮揚
伊号第三三潜水艦は1942年9月26日修理中沈没し33名が死亡した。
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