「歴史をあるく、文学をゆく 半藤一利」を読む。
○ 著者の興味の赴くまま、気の向くままに書かれた、読んで肩の凝らない歴史エッセイである。
歴史と文学をこよなく愛する著者が、探偵眼を光らせつつ、飛鳥から河井継之助の長岡まで、日本史の争乱六つの舞台を訪ね歩く第一部。続いて視点を文学にうつし、芭蕉、漱石、荷風、司馬遼太郎、藤沢周平ら五人の作家の世界を散歩する。眼光いよいよ冴えわたり、深まる思索が普遍の真実に肉迫する。
●第1部 歴史をあるく
○ 「飛鳥の争乱」を探偵する
飛鳥時代王権が確立していなかった。蘇我氏は朝廷に拮抗する勢力を保持していた。中大兄皇子(後の天智天皇)と藤原鎌足はクーデターにより蘇我氏を誅滅した。
○ 万葉集の近江路をゆく
天智天皇は藤原鎌足と計り近江に都を移した。民草は誰も遷都を望んでいなかった。近江朝は数年で瓦解する。
○ 湖北・戦国時代の古戦場に想う
姉川の合戦、浅井家の小谷城、織田信長の安土城、羽柴秀吉の長浜城、明智光秀の坂本城と多くの合戦があった町並みを訪れる。。
○ 元禄十五年十二月十五日
赤穂浪士討ち入りの本所松坂町の吉良邸跡を訪ね、品川、泉岳寺を訪ねる。
○ 歴史を変えた人間通・坂本龍馬の土佐
高知県に行き龍馬の足跡を訪ねる。
○ 河井継之助と長岡の戦場
穏便に新政府に協力したかった長岡藩は新政府軍とやむを得ず戦う。悲劇の長岡を訪ねる。
●第2部 文学をゆく
○ 藤沢周平「海坂藩」の城下を歩く
藤沢周平小説の舞台とされる山形県鶴岡城下町を訪れ散策する。
○ 永井荷風「墨東綺譚」の向島界隈
小説の舞台の隅田川周辺を訪れる。
○ 夏目漱石「三四郎」と本郷の町かど
漱石は熊本県生まれの「三四郎」の視野で本郷を描いた。
○ 義仲寺にて芭蕉翁を追想する
滋賀県の義仲寺を訪れ芭蕉俳句を顧みる。
○ 司馬遼太郎「坂の上の雲」と松山の人
正岡子規、高浜虚子、秋山好古、真之兄弟の足跡を訪ねる。
夏目漱石「坊っちゃん」と道後温泉
漱石が奉職した松山中学校、松山の町並みを散策し道後温泉に入る。
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